7日目に続いて2度目の満員御礼が出た14日目。優
勝争いは大詰めを迎えた。
後半最初の一番は2敗でトップの高安が登場した。
対戦相手は輝である。輝は上位戦から遠ざかってい
るだけに対戦相手としてはもう一つと思っていた。
ところが相撲は、激しい突き合い、押し合い。両力
士一歩も引かぬ激しい攻防となった。その中から輝
が下から攻めあげ、高安回り込みながら後退。輝が
追撃したが、最後はたき込みで輝をかわした。
高安は思わぬ苦戦からかろうじて勝利した。だが、
この1勝は大きい。2敗単独トップに立ち、千秋楽
を迎える。運命の対戦相手は琴ノ若ではなく、3敗
阿炎となった。優勝を争う者同士の直接対決となっ
た。高安優勝待望に今度こそ応える最大のチャンス
が訪れようとしている。
3敗同士の豊昇龍対阿炎。相撲は繰り返された。勇
んで出る豊昇龍を阿炎は引き落とした。前に倒れる
ということは足が出てないからである。王鵬戦の反
省がない。下位で勝ち上がった王鵬にそもそも敗れ
るようでは、優勝資格はない。一時トップの1敗豊
昇龍が3連敗して優勝圏外に去った。もろい豊昇龍
に限界を見た。
結びは3敗同士の一番で貴景勝対王鵬である。これ
は実力が上の貴景勝の押し相撲の前に王鵬はなすす
べがなかった。王鵬はまだ幕内下位経験しかないの
だからしかたがなかった。豊昇龍に勝ってにわかに
上位戦が続いいたが、まだまだであった。
3敗貴景勝は千秋楽、若隆景と対戦する。負け越し
正代戦はなくなった。それだけではない。御嶽海・
玉鷲戦まで消えてしまった。果たしてこれでいいの
だろうか。負けが込んできたら早めに対戦させるこ
とだってできるはずである。
千秋楽の見所はほかにもある。小結は3力士の熾烈
な争いである、
西筆頭琴ノ若8勝6敗
真東2明生8勝6敗
前東4若元春9勝5敗
千秋楽の一番がものをいうことになりそうである。
7勝7敗東龍、幕内初の勝ち越しなるか。初日から
14連敗の照強、起死回生の1勝なるか。対戦相手は
逸ノ城である。
千秋楽も目が離せない日になる。