大相撲

現代年寄株事情

2022年8月16日

年寄株は105ある。これは昭和2年の東西合併のとき
東京方85、大阪方17が合わさって現在に至っている。
この間一代年寄もあったが、現在は事実上なくなって
いるし、今後復活することもまずないと思われる。

最初に、なにかと必要性を問われる再雇用からみて
いく。今年(2022年)新たに加わったのが元若嶋津の
荒磯と元琴風の尾車である。8月20日に白鵬の師匠で
あった元竹葉山の間垣が加わる予定である。ほかに
元大飛の大山、元三杉磯の峰崎、元大徹の湊、元薩洲
洋の立田山と7人に及ぶ。65歳定年で協会を離れる
なら、松鳳山は残れたかもしれない。

<元若嶋津>

大山は10月に再雇用を終えることになる。なお、元
高望山の高島は8月14日に定年を迎えたが、再雇用を
選んだかははっきりしていない。再雇用は当然ながら
年寄株の回転を悪くするだけでなく、仕事に見合わ
ない人件費は負担増につながる。

鶴竜は横綱の特権で5年間は現役名を名のれる。元
霧島の陸奥の定年は2024年4月である。そのとき部屋
を鶴竜に譲ることはできるが、株がなくなるため再
雇用はなくなる。あるいはどこかの部屋に弟子を託せ
ば再雇用として残れる。その場合鶴竜は新たに年寄株
を入手しなければならなくなる。

<鶴竜と井筒(元逆鉾)の師弟>

2023年には元栃司の入間川、2025年には元旭富士の
伊勢ヶ濱、元大竜の大嶽が定年を迎える。みな部屋
持ちのため、後継者が問われる。入間川部屋には元
皇司の若藤と元垣添の雷が部屋付き親方としている。
伊勢ヶ濱部屋は横綱照ノ富士が引き継ぐことになる。
元安美錦の安治川は独立する。ただ、照ノ富士が年寄
株を入手しなければ、伊勢ヶ濱は再雇用されないこと
になる。

<伊勢ヶ濱>

大嶽部屋はいずれ納谷家にもどるだろうが、今は時期
尚早である。王鵬あたりが引退するまで誰かが部屋の
後継者として維持しなければならない。かつて大鵬は
巨砲、嗣子鵬、大若松などを育てたが、すでに協会を
離れている。二所一門の親方に後継者はいるのだろう
か。

借株は現時点で8である。とりわけ元豊ノ島の井筒
は、ゆくゆくは元逆鉾の娘と結婚した志摩ノ海のもの
になるだけに複雑である。年寄株は煩雑化している。

 

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denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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