引き続き役立つ資料を紹介しよう。
■新聞
新聞で忘れられないのは報知新聞(現スポーツ報知)
に掲載された玉の海梅吉氏の「切り捨てご免」であ
る。玉の海さんは土俵に根ざした力士の心のありよう
を説いた。大受を土の香りのする力士といい、体の
小さい貴ノ花の変化を求めなかった。現代、土俵の心
を語れる方は残念ながらいない。
もう一人新聞で忘れない方が杉山桂四郎氏である。
彼の杉山桂四郎帳は相撲のバイブルである。杉山桂四
郎帳といってもそういう名前のものがあるわけでは
ない。これは彼が新聞社記者時代執筆した記事をまと
めたものである。杉山桂四郎氏といえば視点の鋭さ、
思いも寄らない角度から斬り込むことで定評のあった
方である。
燃える要素があると強い北の富士を循環気質と書い
た。監察委員を八百長Gメンと表現した。また、当時
誰も話を聞きにいかないなかで、彼は元安藝ノ海に
よく話を聞きに行った。「貴ノ花は横綱になれない」
「骨がある若三杉(後の2代目若乃花)は北の富士級
になれる」など貴重な話を引き出している。
新聞は一般紙なら、縮刷版が図書館にあるかもしれ
ない。新聞社のデ-タベースは古いものは難しい場合
がある。そうかと思えば明治から現代まで検索できる
新聞社がある。有料が多い。
■雑誌増刊
雑誌増刊といっても専門誌を発行している会社からの
増刊号のことではない。ここではプロレスを核とした
日本スポーツ出版社から別冊ゴング増刊号として発行
された大相撲シリーズをあげておく。これはエド・
ア企が中心となって企画制作したものである。執筆者
に小坂秀二氏、杉山桂四郎氏、問題点を掘り下げる
三宅充氏などがかかわっている。かなり興味深いテー
マで制作された。
昭和の名力士100人
ふるさとの名力士
双葉山
栃若時代
昭和の名勝負100番
花田三代
大相撲観戦ガイド
昭和の優勝三賞力士
昭和最強力士
大相撲はんどぶっく横綱
など
大相撲が本当に好きな方々が精魂込めた一冊である。
今読んでも読み応え十分である。ネットオークション
で入手できるモノもある。