一月場所、終盤かかとを痛めたことで優勝を
逃した照ノ富士。結局3連覇はならなかった。
3連覇というのは意外と難しい。栃錦、若乃
花、玉の海でさえ、達成していない。
それでは大正15年優勝制度がスタートして、
最初に3連覇を達成した力士は誰か。それは
横綱常ノ花である。東西合併によって、昭和
とともに年4場所制になった。2場所を西
日本で開催した。そうしたなかで、昭和2年
三月場所から十月場所まで常ノ花が3連覇
した。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/01/常の花★.jpg)
次が大関玉錦である。横綱不在の時代であっ
た。第一人者の玉錦が昭和5年十月場所から
昭和6年三月場所まで3連覇した。しかし、
玉錦はこれでも横綱に昇進できなかった。
現代なら考えられない。なお、玉錦は横綱に
なってから再び3連覇を達成している。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/01/横綱古写真玉錦-.jpg)
玉錦3連覇のあと登場したのが双葉山である。
昭和11年夏場所から関脇1場所、大関2場所、
横綱2場所と5連覇を達成した。双葉山は
69連勝の途上で、当時は年2場所制であった。
双葉山はほかに3連覇もしている。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/01/双葉山_ 昭和初期力士.jpg)
戦後の混乱期。食料事情は悪く、常設会場を
失った大相撲。日本の古いものはみんなだめ
の風潮で人気がなかった時代、双葉山の弟
弟子の羽黒山が4連覇している。双葉山の
陰に隠れた存在だったが、ようやくクローズ
アップされた。その後、群雄割拠の時代で
3連覇する力士は誰もいなかった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/01/羽黒山 (.jpg)
時代は年6場所制の申し子大鵬の登場を待つ
しかなかった。大鵬は大関で連続優勝すると
横綱になっても優勝を続け、4連覇を達成
している。若くて強い大鵬はこの後6連覇
2度、3連覇を達成している。3連覇のとき
が45連勝のときである。もっとも連勝は誤審
でストップされた。誤審がなければ何連勝
できただろうか。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/01/大鵬10−1-e1643622493989.jpg)
(この項目続く)
栃煌山引退大相撲の写真をピックアップしてみました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。