照ノ富士にはまさかの宇良戦だった。その
宇良が横綱相手に予想を超える大善戦を
した。立ち合い仕切り線より下がった宇良。
立ちあがるや照ノ富士左から宇良の右腕を
かかえ込んできめにかかった。宇良右へ
まわって肩すかしにいって動きが止まった。
両力士まわしはとっていない。照ノ富士は左
で相手の腕を抱え込んできめた状態。宇良
再度肩すかしで再び動きが止まる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/09/210921十日目幕内-1230-e1632228713724.jpg)
宇良右で足取り、残して照ノ富士が出たとこ
ろで体が離れてにらみ合いから四つ。だが
両者まわしが取れないなかでのさぐり合い。
宇良再度足に手をかけ右ざしまわしを取る。
下手投げ可能な深い位置で食い下がる。照ノ
富士左上手肩越しで取る。照ノ富士、出とい
ての上手投げに 宇良裏返しのまま残すもその
まま重心を失って背中から落ちた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/09/210921十日目幕内-1235-e1632228736865.jpg)
宇良の大健闘は賞賛に値する。照ノ富士の
勝因は宇良の奇襲、かく乱を用心し、勝機を
つかむまで耐え忍んだことである。これまで
の磐石の相撲ではないが、とにかく連敗を
防いだことは大きい。小さい者には大きな
相撲を取れ、という格言があることを記して
おきたい。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/09/210921十日目幕内-1244-e1632228758357.jpg)
それにしても上位に優勝を争う力士がいない
ことはなんともお寒い限りである。大関正代
3敗、関脇御嶽海3敗である。これでは場所
が盛り上がりようがない。特に正代は大関で
あり、特別待遇なのにそれに応えていない。
それは早々と負けが先行した貴景勝も同様で
ある。なお、霧馬山の3敗は活躍ぶりを表し
ている。
2敗は阿武咲と妙義龍になった。阿武咲は
11日目貴景勝と対戦する。妙義龍は下位相手
で上位戦がないのは物足りない。この2力士
に優勝するほどの地力はあるのか。両力士
とも三月・五月場所は上位では負け越して
いる。
照ノ富士にはもうひと踏ん張りもふた踏ん
張りもしてもらわなくては場所がもたない。
場所中はほかのことができません。
興味深いテーマをこれからもお届けします。