照ノ富士にはまさかの宇良戦だった。その
宇良が横綱相手に予想を超える大善戦を
した。立ち合い仕切り線より下がった宇良。
立ちあがるや照ノ富士左から宇良の右腕を
かかえ込んできめにかかった。宇良右へ
まわって肩すかしにいって動きが止まった。
両力士まわしはとっていない。照ノ富士は左
で相手の腕を抱え込んできめた状態。宇良
再度肩すかしで再び動きが止まる。
宇良右で足取り、残して照ノ富士が出たとこ
ろで体が離れてにらみ合いから四つ。だが
両者まわしが取れないなかでのさぐり合い。
宇良再度足に手をかけ右ざしまわしを取る。
下手投げ可能な深い位置で食い下がる。照ノ
富士左上手肩越しで取る。照ノ富士、出とい
ての上手投げに 宇良裏返しのまま残すもその
まま重心を失って背中から落ちた。
宇良の大健闘は賞賛に値する。照ノ富士の
勝因は宇良の奇襲、かく乱を用心し、勝機を
つかむまで耐え忍んだことである。これまで
の磐石の相撲ではないが、とにかく連敗を
防いだことは大きい。小さい者には大きな
相撲を取れ、という格言があることを記して
おきたい。
それにしても上位に優勝を争う力士がいない
ことはなんともお寒い限りである。大関正代
3敗、関脇御嶽海3敗である。これでは場所
が盛り上がりようがない。特に正代は大関で
あり、特別待遇なのにそれに応えていない。
それは早々と負けが先行した貴景勝も同様で
ある。なお、霧馬山の3敗は活躍ぶりを表し
ている。
2敗は阿武咲と妙義龍になった。阿武咲は
11日目貴景勝と対戦する。妙義龍は下位相手
で上位戦がないのは物足りない。この2力士
に優勝するほどの地力はあるのか。両力士
とも三月・五月場所は上位では負け越して
いる。
照ノ富士にはもうひと踏ん張りもふた踏ん
張りもしてもらわなくては場所がもたない。
場所中はほかのことができません。
興味深いテーマをこれからもお届けします。