照ノ富士についに土がついた。土をつけた
力士は押し相撲の大栄翔である。立ち合いの
踏み込みは照ノ富士のほうがよかった。まわ
しを取りにいくが、さがりをつかみ、はたせ
なかった。頭四つ気味からさぐり合い。大栄
翔が突き離して、はず押しに出ると照ノ富士
の体勢がおきた。大栄翔は青房下にそのまま
横綱を押し出した。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/09/210920九日目幕内-1113.jpg)
立ち合いまわしが取れなかったとはいえ、
相手の土俵でのさぐり合いだった。照ノ富士
にここで攻め手がなかったのか。その点が
解せない。またいつもほど勝利への執念が
みられなかった。それが大栄翔にやすやすと
先に攻められ、防戦一方に追い込まれる原因
をつくった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/09/210920九日目幕内-1140-e1632141773157.jpg)
15日間にはこんな日もあるが、横綱はそれ
ではすまない。ほかの力士並みでは務まら
ない。土俵を、場所を締めなくてはならない。
そうでないと乱戦・混戦のどんぐりの背比べ、
低レベルの優勝になる。栃錦は初日に負け
ても「今場所は14勝1敗か」と考えたという。
照ノ富士は1敗したあとが大事である。まず、
連敗を避けなくてはならない。優勝ラインを
下げるようなことがあってはならない。残り
6日間1日一番全力をあげて横綱の務めを
果たしていただきたい。横綱は相撲界の最高
峰なのだから。10日目はまさかの宇良戦で
ある。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/09/210920九日目幕内-705-e1632141795100.jpg)
豊昇龍対若隆景戦で柔道顔負けの技がでた。
最初は何がおきたかわからなかった。豊昇龍
の投げに若隆景にとんだ。うちわは若隆景。
物言いがついた。投げた瞬間どこかついた
のかなと思った。それにしても何の投げだっ
たのか、決まり手発表ではっきりわかった。
一本背負いだった。まさか国技館で一本背負
いが見られるとは思いもしなかった。豊昇龍
の思い切った相撲はすばらしい。
天気のいい日が続きました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。