大相撲

稀勢の里の運命

2018年9月5日

8場所連続休場の稀勢の里が土俵に帰って
きそうである。総見で横綱・大関相手に4勝
4敗ということだが、稽古は必ずしも勝つ
ことを目的としてするものではない。当然
奇襲や立ち合いからの変化はない。相手に
ケガをさせる相撲やケガをしている箇所を
攻めたりはしない。ケガをするほどねばっ
たりはしない。かつて出羽海部屋へ稽古見学
にいったとき、元佐田の山の出羽海親方が、
ひいき力士が勝つたびに拍手するファンを
たしなめていた。
180118五日目 十両別角度 611
<稀勢の里の土俵入り>

報道によると稀勢の里の見方は別れている。
北の富士さんはバタバタ、舞の海さんは全然
いいという。仮に稽古で調子がよくても直前
の本場所ですぐに効果がでるモノではない
ことはこれまで書いてきた。稀勢の里が全て
の休場中でどれだけ日々の鍛錬を積み重ねて
きたかが問われるのである。その上で稀勢の
里は実戦を離れているというマイナス面が
あることを見落としてはいけない。

稀勢の里の復活のカギとなるのが、序盤戦で
ある。序盤戦では対戦相手がしぼりきれない
ので前半戦まで広げてみた。後半は2横綱・
2大関・2関脇が予想される。前半は小結
から前頭3枚目までが予想される。稀勢の里
にとってもはや過去の対戦成績はあてになら
ない。だが、横綱として途中休場に追い込ま
れた成績を参考までに記してみた。

東小結玉鷲 2敗(1不戦敗)
西小結貴景勝 1勝2敗
東筆頭勢 1敗
西筆頭魁聖 なし
東2枚目豊山 なし
西2枚目千代大龍 1勝1不戦敗
東3枚目正代 1勝
西3枚目遠藤 1敗
170122千秋楽幕内・表彰 554
<白鵬には3連勝中の稀勢の里>

稀勢の里は左四つに組みとめ、寄りで攻め
たいところである。そのさい腰高にならない
ことである。実戦を離れているだけに離れる
と不安がつきまとう。
171115四日目幕内 1417
<H29年11月 貴景勝の攻めに後退>

稀勢の里は後退すると危ない。その可能性が
あるのは貴景勝である。貴景勝は稀勢の里が
攻めてもまわり込む、いなすなどねばり強い
相撲を取る。かなり危険な相手である。パワ
ー相撲の千代大龍が立ち合いから一気に出る
と一つ間違うと危ない。稀勢の里は千代大龍
に立ち合い負けしないことである。

離れて突き押しの玉鷲もいやな相手である。
最初から組みとめるにはよほど踏み込みが
鋭くないと難しい。初顔となる豊山は四つに
なっても体力負けしない。七月場所千秋楽の
御嶽海戦でみせた動きや執拗な攻めもある。
稀勢の里は下からおこして攻めたいところで
ある。
171112初日幕内 491
<H29年11月 玉鷲の攻めに後退>

動きで翻弄というと嘉風だが、九月場所は
まず顔が会わない。嘉風に変わる相手として
正代、遠藤があげられる。加えて学生出身は
勝負をあきらめないねばっこさがある。組み
とめれば有利だが、勝負が長引くあるいは
もつれると危ない。

稀勢の里は前半6勝2敗でのり切りたいとこ
ろである。後半の2横綱・2大関・2関脇
+1で4勝3敗以上の成績で10勝以上あげ
たいところである。吉と出るか凶とでるか、
稀勢の里の力士人生最大の戦いが始まらんと
している。

台風のあとは残暑。どちらも歓迎できません。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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