NHKの解説者だった玉の海梅吉さんが、
双葉山の69連勝の話題になったとき「この
連勝には私も大分貢献してますな」と語った
ことがあった。実際双葉山の69連勝には玉ノ
海の名が5度登場している。昭和14年春場所、
双葉山の連勝が安藝ノ海にストップされた
場所で玉ノ海は双葉山に生涯でたった1度
だけ勝っている。当時は年2場所制だから
3年にわたって双葉山は負けなかったわけで
ある。
昭和16年から取組は東西制に戻り、双葉山と
玉ノ海は同じ方屋になり、対戦は永遠に失わ
れた。ということは以前書いた。
現代は年6場所制だから69連勝といっても
1年以内の話になる。とはいっても63連勝を
達成した白鵬は大変な偉業である。誰にでも
できることではない。超人白鵬にしかなしえ
なかった記録である。
<魁皇に負けた翌日に連勝がスタート>
さて白鵬の63連勝だが、稀勢の里にストップ
されたのはよく知られている。それでは連勝
の始まりは、誰に負けた翌日誰に勝ってから
始まったかご存知だろうか。平成22年一月
場所13日目大関魁皇に負けた翌日、大関琴欧
洲に勝ってから始まったのである。そして
63連勝は次の力士から成り立っている。
大関琴欧洲
▼4勝
大関把瑠都4勝
大関日馬富士4勝
稀勢の里
琴奨菊
鶴竜
栃ノ心
▼3勝
大関魁皇
栃煌山
安美錦
若の里
旭天鵬
阿覧
▼2勝
大関琴光喜
豊ノ島
豊真将
時天空
▼1勝
横綱朝青龍
玉鷲
土佐豊
雅山
朝赤龍
白馬
北太樹
徳瀬川
連勝中、横綱朝青龍とは1度だけの対戦で
ある。お騒がせ横綱朝青龍が社会事件をおこ
し、事実上の強制引退に追い込まれたので
あった。朝青龍が顕在なら白鵬の連勝に変化
があったかもしれない。大関琴光喜には2勝
しかしていない。野球賭博の処罰で白鵬との
対戦がなくなってしまったのである。
白鵬の連勝は平成22年のことだが、当時それ
ほど相撲人気はなかった。特に福岡が、一番
お客さんが入らなかった。ところが白鵬の
70連勝目となる8日目は、チケットがどん
どんなくなっていった。実際、白鵬の連勝は
2日目にストップし、お客さんのあてがはず
れたカタチとなった。
<63連勝目となった栃ノ心戦>
このあと60連勝以上する力士が登場するのは、
70年以上かかるのではと歴史視点から思えて
くる。
九月場所の先行予約はとっくに始まって
います。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
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