五月場所は元幕内の錦木が安美錦との相星
決戦を制して、10勝5敗で十両優勝を達成
した。十両優勝を予想することはいかなる
相撲通でもきわめて難しい。また、幕内優勝
は覚えていても、十両優勝者は記憶から薄れ
ていくのが常である。そこで予想ではなく、
これまでの現役力士の十両優勝の傾向につい
て述べてみよう。
現役の十両優勝経験者はのべ47人、個別で
38人である。最も古い現役の十両優勝は、
平成16年三月場所の白鵬である。今から13年
以上前になる。その次は同年九月場所の安馬
(後の日馬富士)。その次は平成17年三月
場所の琴奨菊である。なお、稀勢の里、鶴竜、
高安、豪栄道は十両優勝の経験はない。
<H19年1月豊響十両初優勝 現在3回の十両優勝>
現役の最多十両優勝は豊響と栃ノ心の3回
である。豊響は今度十両優勝すれば、15日制
が定着した昭和24年夏場所以降では、最多
タイの4回になる。もっとも豊響は現在3回
優勝したうち、2回は元幕内力士としての
優勝である。栃ノ心はケガで幕下まで落ちた
が、そこからが凄かった。幕下連続優勝の
あと十両2場所連続優と4場所連続優勝で
幕内に復帰した。元小結という注釈つきでは
あるが、15戦全勝優勝もしている。
<H23年9月 琴勇輝を倒し、新十両から
2場所連続十両優勝を達成した妙義龍>
<H25年7月十両優勝で十両を1場所で突破した遠藤>
現役の十両連続優勝は、翔天狼、妙義龍、
栃ノ心である。さすがに3場所連続優勝は
15日制定着以降では1度もない。このうち
翔天狼、妙義龍は新十両からの連続優勝で
ある。現役の新十両優勝は豊響、栃ノ心、
翔天狼、妙義龍、勢、千代大龍、遠藤、照ノ
富士、逸ノ城、御嶽海と10人いる。勢は幕下
が長かっただけに、感慨深かった。
<H25年7月栃ノ心と逸ノ城の十両
優勝決定戦>
成績別現役十両優勝では、15戦全勝1回、
14勝3回、13勝13回、12勝16回、11勝10回、
10勝4回である。元幕内以上で優勝した回数
は22と半分弱を占めている。七月場所は誰が
何勝何敗で優勝するのか。幕内予備軍の奮闘
に注目して観戦するのも興味深いと思う。
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興味深いテーマをこれからもお届けます。
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