
<先場所優勝した稀勢の里(右)>
新番付が発表された。先場所14勝で優勝した
稀勢の里は第4の横綱のポジションである。
なにゆえ、4勝の日馬富士、5勝の鶴竜より
下位におかれるのか。いやそれだけではない
11勝の白鵬と14勝の稀勢の里は3勝の差が
ある。横綱の順位としては東の正横綱が稀勢
の里、西の正横綱白鵬、続いて鶴竜、日馬
富士が妥当な順位である。それには理由が
ある。まず、下記の図1をご覧いただきたい。

<図1>
系統別総当たりが定着したのは昭和22年秋
場所からである。横綱でいうと東富士以降で
ある。先場所の成績による新横綱の地位が
成績本位になったのは、吉葉山以降である。
大関で全勝優勝した吉葉山は横綱に昇進した。
翌場所の番付は10勝の千代の山、4勝の東富
士より上位に位置した。
今回のケースに似ているのが図2である。

<図2>
13勝2敗で連続優勝して横綱になった武蔵丸は、
3勝の3代目若乃花、全休の貴乃花より上位
につけている。
14勝で新横綱になったとき、先輩横綱が11勝
したときのケースが図3である。

<図3>
14勝で横綱になった三重ノ海が、先輩横綱で
11勝の2代目若乃花より上位に位置している。

吉葉山以降、先輩横綱と2勝差以内なら、
先輩横綱が上位であるが、3勝差以上の場合
は新横綱が上位に位置する傾向であった。
これは吉葉山から武蔵丸まで25人の新横綱に
適用されてきた。例外は大関北勝海が13勝を
あげながら10勝5敗の先輩横綱より下におか
れたことである。新横綱のポジションを自動
的に最下位にしたのは、東富士、千代ノ山、
朝青龍以降の横綱5人。計7人だけである。
問題はどちらが合理的かつ適切な番付か、
改めて言うまでもあるまい。
なお、吉葉山の前の横綱鏡里はこうであった。
大関で14勝をあげて優勝した鏡里は、途中
休場の横綱よりは上だったが、9勝6敗の
羽黒山より下におかれた。

<関脇玉鷲(左)と高安>
関脇に玉鷲、高安、小結に御嶽海、正代と
力のある者がそろった。玉鷲は三役連続3場
所目、高安は三役連続5場所目である。御嶽
海、正代は三役に定着ができるか。豪栄道は
14場所連続関脇のあと大関に昇進した。
宇良がついに入幕を果たした。前頭12枚まで
上がってきた。幕内でどんな技を発揮するか。
幕内で通用するか。見ものである。

<新入幕宇良>
三月場所のチケットはすでに完売である。
満員の観客に応える熱戦を期待したい。
プレミアム金曜は今後広がるのだろうか。
興味深いテーマをこれからもお届けます。
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