大相撲

■春初日 鶴竜-遠藤,紙一重の勝負の分岐点

2014年3月9日

鶴竜対遠藤戦は初日最大の注目の一番である。
稽古場では遠藤を圧倒していた鶴竜だが、本場所は
別である。実際の一番は予想を超えるスリリングな
内容となった。

鶴竜は立ち合い鋭く右前褌を取りにいった。遠藤
突き放しにいくが、突ききれず鶴竜の右前褌を上から
たたきつけて切る。これが第一のポイント。

そこを突き押しで遠藤が攻め立てると鶴竜は東土俵際に
棒立ち。勝負あったかのように見えたが、ここぞと
攻め込む遠藤を鶴竜が俵づたいに右へまわりこんで
かわしながら突き落とすと、遠藤は勢い余って土俵に
落ちた。第二のポイントは鶴竜が棒立ちから
まわりこめたことである。

この勝負の分岐点は遠藤が鶴竜を追い込みながら
つめ切れなかった点にある。だが、勝負どころで
あったためやむを得なかった。遠藤は惜しい相撲で
勝利を逃した。

だが、前褌の切り方はすばらしかった。柏戸は前褌を
取って走る相撲だ。柏戸に勝つには前褌を与えない
戦法が一番いいといわれた。それも最初から取らせ
ないのではなく、取らせて上からたたきつけて切る
ことが勝機につながる方法であった。遠藤の上位戦は
予想を超える可能性がある。
140309初日幕内 888鶴

 

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denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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