大相撲

双葉山は69連勝したから偉大なのではない

2014年2月20日

ソチオリンピック見ていてある言葉を思い出した。
それは「スポーツにおける英雄の条件はここで結果を
だしてくれと期待したとき、それに応えられる者で
ある」という言葉だ。巨人の長嶋はまさに英雄だった。
彼の記録を上回る選手はけっこういるが、記憶の面
では長嶋に及ばない。それはまさに期待に応えられた
点にある。

大相撲の場合はどうだろうか。双葉山は国民的英雄で
あった。「誰が双葉を倒すのか」という声に対し
「双葉よ負けるな。勝ち続けてくれ」という期待は
あった。

双葉山に傾倒し、双葉山の偉大さを伝えてくれた方に
小坂秀二氏がいる。実際に双葉山の相撲を見、相撲を
見る基準を双葉山においた方であった。彼によると
双葉山が求めたものは相手から得られる勝利でもなけ
れば、観客の賞賛でもなかった。相撲を通して限界に
挑戦し、自己の完成を目指した求道者であった。
英雄の条件を超越した存在である。

その小坂氏は意外な言葉を語っていた。「双葉山は
69連勝をしたから偉大なのではない」双葉山が
たとえ69連勝をしなくても彼の偉大さは損なわれる
ことはないというのだ。これはいったいどういう
ことだろうか。小坂氏の著書から双葉山を読み解くと

1.相手が立てばいつでも立つ立ち合い
これは双葉山以外誰もなしえていない。さらに69
連勝中は無造作だった立ち合いから後の先の立ち
合いを完成させた。
2.勝敗を超越していた 勝負にこだわらなかった。
力士は稽古で培ったものを土俵で発揮すればよいとい
う考え方であった。こんな心境で土俵に上がった
力士がほかにいるだろうか。
3.けれん相撲、作戦相撲はとらず、正攻法の相撲を
取った。横綱・大関に対し常にまともに勝負して負け
続けた。しかし、相手との力を肌で感じていた。
そして一度勝ちだしたらもう負けなかった。

双葉山は史上最大の横綱、最高の力士像だった。
<写真は双葉山のブロマイド>

双葉山

 

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denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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