豊昇龍の直前3場所33勝横綱昇進はショッキングな出来事だった。
これを受けて、筆者は考察した。
直前3場所38勝
直前4場所48勝
直前5場所60勝
上記のいずれかを満たして初めて審議対象になるとしてはどうか。
それでは過去の横綱昇進でこの条件を満たした者はどれくらいいる
のか。改めて検証してみた。

千代の山は条件を満たしていない。2場所前は8勝、4場所前は9
勝である。年3場所制のときである。鏡里は直前5場所60勝である。
ただ、鏡里は直前場所が初優勝であった。初優勝だけでの横綱は不
安が残る。

吉葉山は直前3場所40勝5敗である。吉葉山も直前初優勝だが、3
場所前は14勝1敗であった。このとき時津山が平幕で15戦全勝優勝
した。ただし、横綱・大関戦がなかったので事実上の優勝は吉葉山
であった。鏡里は地味だったが、吉葉山は人気があった。
栃錦は直前連続優勝したが、3場所連続1ケタ勝利後であった。こ
れが響いて条件は満たしていない。数字的にはチャンスはその後や
ってくることになる。初代若乃花は、1ケタ勝利はないが、決定力
不足であった。吉葉山、鏡里が引退したという事情があった。若乃
花にもその後チャンスはくることになる。

朝潮は直前3場所38勝7敗で条件を満たしている。ただ、強い朝潮
と弱い朝潮が同居していただけにもう1場所みたい思いはある。大
鵬は連続優勝したが、直前3場所では条件を満たしていない。直前
4場所で48勝している。もっとも大鵬が横綱はおろか大横綱になる
のは時間の問題だった。

(この項目続く)