三月場所は大の里と高安の優勝争いで盛り上がった。その裏で琴櫻
は8勝7敗とカド番を脱出した。これをよくやった、とは誰も思わ
ない。最低の線でなんとかしのいだ、というのが実情だ。千秋楽7
勝7敗で大の里と対戦してたら注目の取組になった。

琴櫻が大関になって7場所経過した。最初の3場所は2ケタ勝利を
あげた。まずまずのスタートであった。ただ、横綱照ノ富士が休場
のときは優勝争いをしてほしかった。大関はときには横綱以上の存
在価値を示していただきたい。
その後8勝-14勝優勝した。次の場所は綱取りと騒がれた。しかし、
筆者はその前の8勝がどうしても気になった。3場所38勝するには
全勝しても届かない。まして全勝は考えられなかった。4場所48勝
には16勝必要だった。

結果は5勝10敗と大敗した。先場所の優勝は何だったのか。地力で
達成した優勝だったのか。北の富士のようだ、という見方まで出て
きた。元大岩戸は山形新聞にこう記している。明らかにスタミナ不
足。(中略)たとえ成績が上がらなくても土俵に立ち、悔しさを身
に染み込ませてこそ次につながる。
琴櫻はどこか故障があるのか。しかし、だからといって対戦相手が
考慮するはずはない。故障をしっかり直したいが、1場所休場する
とカド番になる。失速した琴櫻。優勝争いに加わる日は来るのだろ
うか。