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続 消えた横綱の部屋 1

2022年2月から3月において「消えた横綱の部屋」
を掲載した。横綱の代でいうと朝潮で終わっている。
当時は時代が古く、ピンとこず、必ずしも好評では
なかった。ここからは大鵬以降になるのでいささか
身近に思える横綱が登場するのではないだろうか。

続編で最初に登場するのは鏡山部屋である。鏡山部
屋は元横綱柏戸が伊勢ノ海(元先代柏戸)部屋から
独立しておこした部屋である。現役時代は柏鵬時代
到来か、と言われながら大鵬と差がついた。それは
けいこ量の差でもあった。「柏戸は稽古しないから
いかん。あれはあんな体に生んでくれた両親に感謝
すべきだ」と元栃錦の春日野はもどかしく思ってい
た。

<柏戸>

その柏戸が親方になったとき弟子に言った。「稽古
をしたくない者は荷物をまとめて帰れ」と言うのだ
から面白い。これには元柏戸らしい一言が加わった。
「帰るときは挨拶なんかいらないぞ。こっちも挨拶
されるほど面倒みてないからな」元柏戸の人柄がう
かがえる。

門限も設けず、弟子を育てた。そのなかから、小沼、
蔵玉錦、多賀竜、起利錦らを育てた。多賀竜は関脇
までいった。

<元多賀竜の鏡山>

鏡山が58歳で亡くなると元多賀竜が部屋を継いだ。
多賀竜鏡山部屋は弟子が少ないというイメージが強
かった。最後の新弟子が入門したのは2004年三月場
所だった。弟子が息子の竜勢と鏡桜になったのは
2008年五月場所後だった。

2021年7月、部屋の閉鎖が正式に決まった。弟子は
伊勢ノ海(元北勝鬨)部屋に移籍した。こうして鏡
屋部屋は51年の歴史に終止符をうった。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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