御嶽海が6勝9敗-2勝5敗8休コロナ部屋ごと休場
-4勝11敗で大関の座を追われた。十一月場所は関脇
だが、10勝以上すれば大関に復帰できる。これは昭和
44年七月場所以降実施された規定である。貴景勝は
この規定で大関復帰を果たしている一人である。な
お、この規定で大関に復帰し、その後横綱に昇進した
のが三重ノ海である。
といって十一月場所御嶽海の大関復帰がそれほど話題
になるとはとうてい思えない。本来七月場所の部屋
ごと休場でカド番が延期になったことでラッキーと
思い、九月場所にかけるはずである。ところが幸運を
生かすどころか、九月場所では思いもよらない弱弱
しい御嶽海の姿だった。あっさり負ける。誰とやって
も勝てそうもない。弱過ぎる大関はいらない。
弱過ぎる大関は正代も同様である。今年5場所は6
勝-9勝-5勝-10勝-4勝で34勝41敗である。たま
に強さを発揮することがあるが、とにかくよく負け
る。十一月場所はカド番だが、話題にはならない。
もはや大関にいようがいまいが、大関の実力がない
のは明白である。大関がよく負けるため、関脇、小
結、前頭上位は混み合っている状態が続いている。
1勝途中休場-8勝-8勝と芳しくないスタートを
切った貴景勝は、その後11勝-10勝と多少持ち直して
きた。ただし、優勝争いには加われないでいる。心
なしか、貴景勝の押しの威力が減退しているように
思える。そのため、必死の土俵が続いている。攻め
切れなかったら敗北につながる。押しの先輩大関の
若羽黒、大受はそろって大関から陥落している。貴景
勝には踏みとどまっていただきたいが。
昭和以降最高位大関が強かったことは少ない。だが、
現代ほど弱体化した時代は稀である。まるで晩年を
迎えた大関がそろったようである。大関はこれまで
受難の中間管理職に例えられてきた。だが、関脇で
一時的に好成績をあげてきた力士への名誉地位のよう
に思えてならない。