引き続き大関の総合力をみていこう。
大関の総合力=
大関勝率+大関出場率+大関2ケタ勝利率
-大関負け越し率
注
引き分け等は0.5勝0.5敗
出場率は不戦敗を含まない
2ケタ勝利は11日制では7勝4敗以上、13日
制では8勝5敗とさせていただいた。
4位は貴ノ浪である。長身で長い手で相手を
引っ張り込む相撲だった。ほかの力士には
まねできない取り口だった。右上手を引くと
上手投げがあった。優勝決定戦で貴乃花を
河津掛けで勝ったことがあった。12勝以上が
10度あり、強さを発揮した。優勝も2回あるが、
横綱へのチャンスは決定打がなかった。
5位は豊國である。大関に昇進したときは
小野川であった。東西合併のとき、大阪相撲
に小野川という年寄名があったため、改名した。
左四つ、寄り、小手投げ、きめ出しの取り口
だった。地力はあったが、温厚な性格で横綱
には達しなかった。大関時代、横綱常ノ花に
対し5勝4敗と勝ち越している。
6位は小錦である。幕内2場所目には優勝争い
し、黒船来襲と騒がれた。200キロをこえる体
からパワーあふれる相撲で大関に昇進した。
横綱に接近したことがあったが、当時「外国人
横綱はいらない」という論文が発表された時期
でもあった。横綱になれないのは人種差別と
いう声が聞かれた。大関12勝以上は10度ある。
最後はひざと体重過多に悩まされた。
現役の貴景勝は2022年一月場所までの成績だが、
49人中29位である。芳しい順位ではない。休場
が多く、出場率は0.73である。柏戸がよく休場
するので、時津風(元双葉山)理事長は「柏戸
の体は瀬戸物か}と嘆いていた。休場が多く
なれば、負け越し率も上がる。3場所1場所は
負け越している。貴景勝はこの順位を少しでも
あげることである。そうでないと平均以下の
大関に終始する。
正代はもっと深刻である。49人中39位である。
一言でいえば成績が悪過ぎる。大関勝率が5割
台ということは9勝6敗以下である。2ケタ
勝利も1場所しかない。正代は出直し的再スタ
ートが必要である。今のままではどんどん順位
を下げるだけである。
(この項目続く)
福士大相撲があったら雪の翌日になっていました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。