台風10号の影響によって各地で大雨が続いている。首都圏も油断が
できないなか、相撲趣味の会例会に参加してきた。通常開催だと9
月は場所中になるため、前倒し開催となった。そこで雑談として飛
び出したのは相撲専門誌が年内で休刊になるかもしれないというこ
とだ。さらに別な相撲専門誌も危うく、年度内でどうなるか、とい
うことだった。
大相撲の五月場所チケットは半日で売り切れ、九月場所は1時間20
分で完売した。大相撲人気は過熱状態である。それでいて相撲専門
誌は力を失っている。確かに興味深いテーマ、掘り下げた企画が見
当たらない。何より紙面から伝わってくる情熱が感じられない。値
段も1200円、1300円と高額である。
大相撲を知るきっかけはテレビ中継の方が多いだろう。さらに詳し
く知りたい場合、相撲専門誌に目を通すことになる。相撲専門誌の
役割は重要である。しかし、現在はその役割を果たしているとは言
い難い。
筆者のときは「大相撲」、「相撲」を愛読してきた。「大相撲」は
いいものはいい、悪いものは悪いとはっきりしていた。だから協会
批判があった。「相撲」は協会機関紙だから、自ずと限界がある。
しかし、途中ページにグラビアがあり、全体的にボリュームがあっ
た。読みがいがあった。現在、面影は微塵もない。
そのほか日本スポーツ出版社から様々な増刊が出版された。企画・
編集は別会社だが、編集委員と執筆者はそうそうたるメンバーであ
った。一例として小坂秀二、小島貞二、杉山桂四郎、水野尚文、三
宅充、横山正健(敬称略)である。昭和の名力士100人、双葉山、
栃若時代などがある。
現代は相撲専門誌としての役割を終えたのだろうか。ある程度イエ
スといわざるを得ない。企画をもって編集となす。すばらしい企画
を生み出せる編集者が誌面を改革するくらいの意気込みが見たい。