難波に着いたら強風が吹き荒れていた。木々の枝は
曲がり、のれんは巻き付き、帽子は脱ぐかおさえて
いないと間違いなく飛ばされる状況だった。何かの
予兆なのか。何がおきても不思議でない相撲が起き
ている。
![](http://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2024/03/85d73356e33db7c18a8d6edf36926da0.jpg)
驚異の新入幕全勝の尊富士はついに大関戦を迎えた。
それも大関唯一の2敗の琴ノ若である。止め役とし
て大関に白羽の矢が立った。琴ノ若の役割は大きい。
負ければ尊富士と3差がつくのである。大関の意地
を見せるか。
結び前の一番、尊富士・琴ノ若がともに土俵に立っ
た。「琴ノ若が負けることはあるまい」という声が
近くから聞こえた。番付を信じたい。不安があると
すれば、研究不足の点である。新鋭が対戦圏内に上
がってくれば稽古をつけることはある。しかし、新
入幕はなかなか想定しにくい。
![](http://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2024/03/37ffa734f35d880a35b07faeea6a9cf3.jpg)
大歓声のなか制限時間いっぱいになった。立ち合い、
琴ノ若は尊富士の出足を止めた。これは琴ノ若がい
いかなと思った瞬間だった。尊富士の二の矢の出足
が琴ノ若を圧倒し、向こう正面に速攻の寄り切りと
なった。まさかの尊富士の勝利であった。
![](http://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2024/03/dd08070e446b381a5a3f4edf5b55e0b5.jpg)
結びは2敗大の里と7勝3敗大関の貴景勝戦であっ
た。貴景勝は角番であり、早く脱出したいところで
ある。だが、相撲は大の里のパワーが爆発し、貴景
勝を土俵下に吹っ飛ばした。ざんばら大の里の底力
を見せられた。大の里は2敗を死守し、尊富士を追
走する。
![](http://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2024/03/64990b49cbca39493385af38b2a80606.jpg)
優勝争いは全勝尊富士、2敗大の里、3敗4人とな
った。3敗組は全部勝たないと優勝の望みは薄い。
こうなると誰が尊富士を止めるのかが焦点になる。
12日目は大関豊昇龍と対戦する。あと貴景勝、大栄
翔、若元春あたりが対戦相手になるのか。場所はあ
と4日である。