専門誌「相撲」の最新号表紙は若隆景と若元春の兄
弟力士である。三男若隆景は関脇5場所連続在位で
あり、最も大関に近い力士である。今年(2022年)
の三月場所は優勝決定戦で高安と熱闘の末初優勝し
ている。年間最多勝の可能性もある。
次男若元春は今年一月場所が新入幕である。幕内中
位以下ではすべて勝ち越し。初上位の七月場所では
善戦した。特に照ノ富士戦では行司のまわし待った
をめぐり、はっきりわからなかった若元春が力を抜
いた照ノ富士を寄り切った。だが、まわし待ったの
瞬間からの体勢で再開して惜敗している。
存在感を示した大波兄弟だが、もう一人幕下に長男
若隆元がいる。大波3兄弟はどういう出世争いをし
てきたのか。まず3人の年齢はどのようになってい
るのか。それが以下である。
若隆元と若元春は2学年違う。若元春と若隆景は、
1学年違う。つまり、若隆元と若隆景は3学年違う
ことになる。このことをまず頭においておこう。初
土俵は若隆元が早く2009年十一月場所で前相撲を取
っている。照ノ富士・明生の前相撲は2011年5月の
技量審査場所だからそれより1年半前のことであっ
た。17歳11カ月のときであった。四股名は大波であ
った。
若元春はその2年後に前相撲を取っている。18歳1
カ月のことであった。前相撲では荒大波、序ノ口か
ら剛士の四股名で相撲を取っている。若隆景は若元
春の5年2場所後初土俵であった。東洋大の学生出
身で三段目付出であった。2017年三月場所が初土俵
であった。三男は22歳3カ月でデユーし、若隆景と
して登場した。出世は若隆景が先行した。翌場所か
ら大波は若隆元、剛士は若元春に改名した。
気になるのは長男若隆元が関取の道が遠く、3兄弟
関取がなかなか実現する見通しがたたないことであ
る。幕下を脱するには幕下の成績がよくなくては難
しい。若隆元は190勝179敗16休で、部屋ごと休場7
休みである。16休みを負けとすると幕下で負け越し
ていることになる。年齢も12月に31歳になる。
ちなみに井筒3兄弟は以下である。
長男鶴嶺山は十両7場所務めた。次男逆鉾は幕内57
場所務め、最高位関脇だった。三男寺尾は幕内97場
所務め、最高位関脇であった。寺尾のみが現在健在
である。井筒3兄弟のように大波3兄弟関取は実現
するのだろうか。難しい可能性だが、若隆元の奮闘
に期待したい。