品格力量抜群につき横綱に推挙する。品格は
定義されていない。それでは力量抜群とは
どれくらいの力量になるのだろうか。時代を
築けるほどの力量なら文句は出まい。なに
しろ横審が誕生以降も弱い横綱、物足りない
横綱は出現してきた。もうひとつ目安になる
のが横綱勝率である。勝率には休場が含まれ
ない。土俵の強さだけが表される。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/10/070708幕内-758時天空線-e1634610157263.jpg)
大正15年の優勝制度以前は引き分け、預かり
等がある。横綱勝率算出において、引き分け、
預かり等は0.5勝0.5敗とした。1勝99引き
分けが勝率10割で、99勝1敗より上という
のはどう考えても不合理だし、強いのは後者
であろう。横綱勝率はどのような経緯をたど
ってきたのだろうか。横綱が実質地位化した
常陸山以降をみていこう。
角聖常陸山は休場が多かったが、横綱勝率は
8割2分6厘である。これを更新した横綱が
45日(1月半=一突き半)の突っ張り太刀山
である。実に9割5分5厘である。太刀山は
横綱時代3敗、引き分け・預かりが2しか
ない。3敗は2代目西ノ海、栃木山、大錦で
ある。東西制時代横綱勝率9割超えはほかに
栃木山だけである。9割5厘である。なお、
大正15年の優勝制度以前、不戦勝不戦敗制度
はない。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/10/横綱太刀山.jpg)
昭和戦前、双葉山は系統別制で4場所、東西
制13場所で横綱勝率8割8分2厘をあげた。
15日制に換算すると13.2勝である。年6場所
制では大鵬が8割5分8厘まで迫った。大鵬は
系統別制19場所、部屋別制39場所横綱として
務めている。横綱在位10場所、成長途上の中、
現役で亡くなられた玉の海が条件付きで8割
6分7厘と大鵬を超えた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/10/双葉山絵葉書 -e1634610195258.jpg)
年6場所制で横綱勝率8割以上の横綱は以下
である。時代を築いた横綱ばかりである。
北の湖 0.811
千代の富士0.848
貴乃花 0.813
朝青龍 0.836
年6場所制で横綱勝率最高に達したのが白鵬
である。899勝129敗、横綱勝率8割7分5厘
である。1場所13.2勝になる。超人的な数字
である。この数字を超えることは容易では
ない。若くして横綱になり、独走できること
が最低条件になる。白鵬は記録の達人であっ
た。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/10/210718千秋楽幕内-1436-e1634610224931.jpg)
七月場所の白鵬の記事をみています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。