大相撲

■夏2日目 一天にわかに掻き曇った3大関

2021年5月10日

初日こそ4大関がそろって勝利したが、早く
も2日目に大崩れに崩れた。朝乃山は連勝
している明生と対戦した。朝乃山は勇んで
出ていくが、明生が右からすくうといかにも
軽く、重心が浮き上がった。明生はそこを
ついて押し出した。朝乃山に残り腰はなく、
西土俵を割った。朝乃山はこんなに軽い力士
だったのかと改めて驚愕した。

正代は先場所負けている若隆景である。四つ
相撲の正代だが、若隆景はうまく組ませず、
おっつけをまじえて攻め立てる。ついに正代
は向こう正面土俵でつまり土俵を割ってしま
った。正代はカド番だけに1敗は重くのし
かかる。早く白星をと思っても1日に1勝
しかできない。今後黒星が先行するようだと
ピンチである。

貴景勝はあたり、二の矢を残されるとなす
すべがない。御嶽海は実力者だけに勝ち目は
薄かった。今日の一番は貴景勝敗北の方程式
であった。実力負けであった。照ノ富士は
落ち着いて北勝富士の出足を止め、大関一人
勝ちとなった。

番付では大関は横綱に次ぐ地位に見える。
だが、横綱は特別な存在。大関にはかなり
差をつけている。大正15年にスタートした
優勝制度では横綱の優勝は289回ある。大関
は111回である。そのうち最高位大関の大関
優勝は38回に過ぎない。それだけに横綱に
次ぐ地位とはとてもいえないのである。横綱
には頭を抑えられ、関脇以下には突き上げら
れる。大関は受難の中間管理職なのである。

それでも大関は協会の看板力士であり、特別
待遇を受けている。責任はけして軽くないの
だが、成績がともなわないことが多い。2日
目の大関は一天にわかに掻き曇ってしまった。
これが続くのか、断ち切るのか、今後が問わ
れる。

番組表通りにいかないのが大相撲中継である。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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