大相撲

横綱の4場所以上連続休場後

20日から合同稽古が始まった。通常は新型
コロナウイルスのため、部屋稽古が中心と
なるが、関取が少ない部屋では十分な稽古が
しにくい環境である。もっとも初代若乃花は
部屋の若い者を三番稽古で何人も相手にし、
強くなった方だった。こうして鍛えた若乃花
は長い相撲になったらこちらのものという
自信をつけた。俵に足がかかれば盛り返せた。
呼び戻しは激しい稽古から生まれた。

<若乃花のブロマイド>

合同稽古の焦点は横綱鶴竜である。4場所
連続休場で待ったなしである。12月は合同
稽古に参加しなかった。こんなことで大丈夫
かと思ったら怠慢休場してしまった。横綱は
休場しても番付は落ちない。これは大変な
特権である。ほかの競技には見られない。
同時に横綱の責任を果す義務がある。特権
ばかりを主張してはバランスを欠くことに
なる。この状態が今の鶴竜である。

<鶴竜>

鶴竜は御嶽海を指名して三番稽古をして全勝
だったという。しかし、稽古は勝敗ではない。
試しながらやる、確かめながらやる場合が
ある。また稽古では粘らない。稽古場横綱
という言葉があるほどである。本場所は相手
の逆をついてくることがある。稽古の勝敗を
うんぬんするのは、それほど意味はない。
何より本場所を離れているため、場所の感覚
が序盤は戻ってない恐れがある。

<白鵬>

鶴竜は4場所連続休場中である。鶴竜だけで
なく白鵬も同様である。横綱が実質地位化
した常陸山以降4場所以上連続休場した横綱
は以下である。

さすがに4場所以上連続休場となると限られ
てくる。13例中9例が引退につながっている。
北の湖にしても10勝5敗のあと以下である。
8勝7敗
10勝5敗
15勝優勝
11敗4敗
0勝3敗12休
3勝4敗8休
0勝3敗引退
北の湖は新国技館にあがるために晩節を汚し
た印象が強い。結局新国技館では2日間あが
って2敗したあと引退した。例外は大鵬・
柏戸の3例である。ただし、大鵬も柏戸も
20代だった。大鵬はこの後45連勝(誤審で
ストップ)している。

<北の湖>

鶴竜は35歳、三月場所前に36歳になる白鵬に
楽観的な材料はない。年齢的にもこの後長く
続くとは考えにくい。仮に三月場所をのり
切ったとしてもその後すぐ休場はやめていた
だきたい。横綱の責任が果せないときは引退
しかない。それが横綱の宿命である。

暖かい日が続いています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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