20日から合同稽古が始まった。通常は新型
コロナウイルスのため、部屋稽古が中心と
なるが、関取が少ない部屋では十分な稽古が
しにくい環境である。もっとも初代若乃花は
部屋の若い者を三番稽古で何人も相手にし、
強くなった方だった。こうして鍛えた若乃花
は長い相撲になったらこちらのものという
自信をつけた。俵に足がかかれば盛り返せた。
呼び戻しは激しい稽古から生まれた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/若の花-e1607483650752.jpg)
合同稽古の焦点は横綱鶴竜である。4場所
連続休場で待ったなしである。12月は合同
稽古に参加しなかった。こんなことで大丈夫
かと思ったら怠慢休場してしまった。横綱は
休場しても番付は落ちない。これは大変な
特権である。ほかの競技には見られない。
同時に横綱の責任を果す義務がある。特権
ばかりを主張してはバランスを欠くことに
なる。この状態が今の鶴竜である。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/200719初日十両-1120.jpg)
鶴竜は御嶽海を指名して三番稽古をして全勝
だったという。しかし、稽古は勝敗ではない。
試しながらやる、確かめながらやる場合が
ある。また稽古では粘らない。稽古場横綱
という言葉があるほどである。本場所は相手
の逆をついてくることがある。稽古の勝敗を
うんぬんするのは、それほど意味はない。
何より本場所を離れているため、場所の感覚
が序盤は戻ってない恐れがある。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/200723五日目十両-704-e1613876194215.jpg)
鶴竜は4場所連続休場中である。鶴竜だけで
なく白鵬も同様である。横綱が実質地位化
した常陸山以降4場所以上連続休場した横綱
は以下である。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/4場所連続休場A.jpg)
さすがに4場所以上連続休場となると限られ
てくる。13例中9例が引退につながっている。
北の湖にしても10勝5敗のあと以下である。
8勝7敗
10勝5敗
15勝優勝
11敗4敗
0勝3敗12休
3勝4敗8休
0勝3敗引退
北の湖は新国技館にあがるために晩節を汚し
た印象が強い。結局新国技館では2日間あが
って2敗したあと引退した。例外は大鵬・
柏戸の3例である。ただし、大鵬も柏戸も
20代だった。大鵬はこの後45連勝(誤審で
ストップ)している。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/北の湖-e1613876216262.jpg)
鶴竜は35歳、三月場所前に36歳になる白鵬に
楽観的な材料はない。年齢的にもこの後長く
続くとは考えにくい。仮に三月場所をのり
切ったとしてもその後すぐ休場はやめていた
だきたい。横綱の責任が果せないときは引退
しかない。それが横綱の宿命である。
暖かい日が続いています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。