十一月場所、貴景勝が大関で優勝したことで、
一月場所は横綱昇進をかける場所と報じられ
た。審判部は連続優勝を条件にしている。
旭富士から日馬富士まではすべて連続優勝で
横綱に昇進した時期があった。横綱の昇進
基準についてはこれまでに述べてきた。品格
力量抜群であること。年6場所制における
2場所連続優勝という3ヶ月切り取り成績は
品格力量抜群につながらないこと。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/090328春十四日目幕内-131綱.jpg)
横綱になった後はもっと大切である。横綱の
ありよう、横綱に求められることとは何か。
検討してみた。
横綱が地位化したのは実質常陸山以降である。
横綱は大相撲の最高位である。それだけでは
ない。適格者がいなければ欠いてもかまわ
ない。また、横綱は地位から落ちることは
ない。これはまったく他の競技にはみられ
ない特徴である。それでいて大相撲ファンは
横綱に対する畏敬の念を抱いてきた。横綱は
特別なものという認識を持ち続けてきた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/横綱常陸山絵葉書-e1606877618536.jpg)
それだけに横綱の責任は重い。常に優勝争い
をし、最低でも12勝をあげる。これが横綱で
ある。要するに横綱に求められるものは安定
的強さであり、超人的強さである。成績に
むらがあり、たまに強さを発揮する程度では
ないのである。
横綱が健在のとき、ほかに優勝を渡しては
いけない。まして幕尻優勝なんて論外である。
大正15年に協会設定の優勝制度が始まって
から467場所が経過した。横綱の優勝は289場
所に及ぶ。横綱出身の大関以下優勝を含める
と384場所になる。82%にもなる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/12/双葉山.jpg)
横綱とひとくくりにするが、その強さは一様
ではない。ピンからキリまで広がっている。
横綱にも引退したとき、どの程度の横綱か
ランクづけが必要である。横綱はA級横綱
からE級横綱に分けるのも一考である。それ
くらい差がある。横綱は現状のままではいけ
ない。差別化が必要である。
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