九月場所は休場の嵐だった。幕内10人、出場
停止1人、十両2人、場所前引退1人とこれ
でもかと休場力士が増えていった。今場所、
初日から休場は白鵬・鶴竜の両横綱と琴勇輝
である。阿炎は引き続き出場停止である。
重量級大相撲に休場は欠かせないものになっ
ていくのか。あるいは十一月場所は歯止めが
かかるのか。休場力士数にどうしても視点が
いく。
鶴竜は次の場所に進退をかけることになるが、
日本国籍が取れないままではやめるにやめ
られない。ここでやめたら帰化申請した意味
が失われる。横綱審議委員会はもっと早く
申請すべきで関係ないと切り捨てるのか。
白鵬に関しては師匠の宮城野(元竹葉山)
から「今場所休場したら、次は進退をかけて
がんばるしかない」と発言があった。白鵬に
進退云々があっての言葉だったのか、明らか
でない。この発言はのち取り消された。
2横綱の休場は横綱・大関リーグ戦を減少
させる。6番あるべきリーグ戦が3番になる。
九月場所、横綱・大関リーグ戦はわずか1番
であった。それも優勝に無関係な千秋楽結び
の一番になってしまった。
3大関がそろった。2017年の稀勢の里以来の
大関優勝は出るのか。正代が連続優勝すると、
双葉山以来の関脇優勝-新大関優勝になる。
史上2人目の快挙になる。ただ、大関と関脇
以下に大きな実力差があるわけではないので、
勢いにのることが条件になる。優勝は朝乃山、
貴景勝、正代の順とみるが、差は少ない。
もう一つ争いがある。年間最多勝である。
この争いが、決着するのが十一月場所である。
現在正代45勝、朝乃山43勝と2勝差である。
もし、朝乃山が年間最多勝をとるのであれば、
優勝はしておきたいところである。優勝なき
年間最多勝では寂しすぎる。
九月場所関脇以下の上位で勝ち越したのが、
正代、御嶽海、照ノ富士、隆の勝、霧馬山
である。十一月場所も4、5人になりそうで
ある。2回の優勝御嶽海、威力ある突き押し
の大栄翔が有力である。あとは地獄から復帰
した男照ノ富士、3場所連続上位勝ち越しを
目指す隆の勝、成長途上の霧馬山にも可能性
はある。
期待したい力士が琴勝峰と豊昇龍である。
大鵬、豊山が新入幕で12勝、北の富士が新入
幕で13勝したようなわけにはいかない。両
力士が大きく飛躍するには、まだまだ時間が
かかりそうである。
十一月場所は初日を迎えようとしている。
江戸時代、鮪と秋刀魚は人気がなかった。
興味深いテーマをこれからもお届けします。