四股名あれこれ 動物編4|鷲・蛇・鯱・鯉・蜂がつく四股名(鷲羽山=わしゅうやま・玉鷲ほか)

鷲の字が入った四股名は、江戸時代に荒鷲・鷲ヶ渕・鷲ヶ峰・鷲ヶ濱の4種類、昭和45年以降に大鷲・鷲羽山・玉鷲の3種類ある。爬虫類は大蛇潟と大蛇山、海獣と魚類は鯱の海・鯱ノ里・□ヶ洞・鯉の勢、昆虫は蜂矢1人である。

四股名の鷲羽山は「わしゅうやま」と読む(田口 通廣の2015年6月のクイズ解答編)。対象は番付が現存する宝暦7年10月以降の江戸・東京の幕内(上段)力士(2020年10月の記事)。動物編は全4回で、この回が最終回。

この連載の数え方(田口 通廣が決めた条件)

  • 動物といっても、竜(龍)・麒麟・鳳・鵬などの伝説や空想上の動物は含めなかった
  • 鯱は「しゃち」と読む四股名は入れ、「しゃちほこ」と読む四股名は入れなかった
  • 獅子はライオンの別称ということで含めた。唐獅子(そういう四股名はなかったが)は別物とした
  • 四股名は最終の名を原則採用したが、もっとも通っている名にしたものもあった
  • 対象は、番付が現存する宝暦7年10月以降の江戸・東京の幕内(上段)力士とした
目次

鷲がつく四股名(江戸時代)|荒鷲・鷲ヶ濱など4種類

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鳥類の字を含む四股名の最後は、鷲である。江戸時代は4種類ある。

四股名田口の注
荒鷲2人いる。最初は宝暦の力士で、江戸においては上段1場所限りであった。もう一人は平成のモンゴル出身の力士で、白鵬・鶴竜から金星を奪っている
鷲ヶ渕明和における看板大関で、上段出場記録はない
鷲ヶ峰安政から寛政の力士(原文のまま)。上段で大関に付け出された看板大関だった
鷲ヶ濱5人いる。安永・文化・文政・安政・明治に入幕している。安永入幕の鷲ヶ濱は大関に付け出され、谷風と対戦したが、ついに勝てなかった。文政と安政に入幕した鷲ヶ濱は関脇までいった
田口 通廣「四股名あれこれ 動物編4」(2020年10月25日)の並びのまま
荒鷲(平成)
<荒鷲(平成)>

鷲がつく四股名(昭和45年以降)|大鷲・鷲羽山・玉鷲

四股名田口の注
大鷲忘れられないのは昭和49年十一月場所。魁傑が初優勝を目指すなか、14日目に対戦して土をつけた
鷲羽山故郷岡山の鷲羽山(こちらはわしゅうざんと読む)からつけた四股名。小兵ながら鋭い出足、スピーディな取口で、はず押し・突っ張り・いなしで土俵狭しと暴れまくった。最高位関脇で、ちびっ子ギャングの異名があった
玉鷲2020年10月の記事の時点で現役、ベテランの域に入ってきている。突き押しの相撲で最高優勝の経験があり、最高位は関脇
田口 通廣「四股名あれこれ 動物編4」(2020年10月25日)の並びのまま

四股名の鷲羽山の読みは「わしゅうやま」である。田口は2015年6月のクイズの解答で、わしうではなく、わしゅうであると念を押している(四股名あれこれ クイズ解答・解説編1)。

玉鷲
<玉鷲>

蛇・鯱・鯉・蜂がつく四股名|爬虫類・海獣と魚類・昆虫

爬虫類は大蛇潟と大蛇山の2種類、海獣と魚類はあわせて4種類、昆虫は1人である。

分類四股名田口の注
爬虫類大蛇潟3人いた。明治に1人、明治から大正にかけて活躍した2人目は先代の弟子で、関脇までいった。3人目は昭和戦後の入幕で、敢闘賞1回、鏡里から金星を獲得している
爬虫類大蛇山
海獣・魚類鯱の海明治初期の力士。最高位の小結を10場所務めた
海獣・魚類鯱ノ里昭和戦前の力士。幕内を18場所務めている
海獣・魚類□ヶ洞□は、魚へんに、右は上が土・下が付と書く字。えそがほらと読むが、ほかの読み方の可能性もある。明和の看板力士であった
海獣・魚類鯉の勢昭和32年入幕。幕内下位で終わっている
昆虫蜂矢昭和55年入幕。もっとも蜂矢は本名である。幕内は4場所で終わっている
田口 通廣「四股名あれこれ 動物編4」(2020年10月25日)の並びのまま
大蛇潟(明治から大正)のブロマイド
<大蛇潟(明治から大正)のブロマイド>
鯱ノ里のブロマイド
<鯱ノ里のブロマイド>

動物の四股名はこの回で最終回になる。田口は、労力の割には地味なテーマだったかもしれないと振り返っている。

鷲・蛇・鯱などの四股名についてよくある質問

Q. 四股名の鷲羽山は何と読みますか?
A. 「わしゅうやま」です。故郷岡山の鷲羽山(こちらは「わしゅうざん」と読む)からつけた四股名で、最高位は関脇でした。

Q. 鷲がつく四股名の力士は?
A. 江戸時代の荒鷲・鷲ヶ渕・鷲ヶ峰・鷲ヶ濱と、昭和45年以降の大鷲・鷲羽山・玉鷲です。平成の荒鷲は白鵬・鶴竜から金星を奪っています。

Q. 鯱がつく四股名の力士は?
A. 明治初期の鯱の海(最高位の小結を10場所)と、昭和戦前の鯱ノ里(幕内18場所)です。

Q. 昆虫の字が入った四股名は?
A. 蜂矢1人です。昭和55年入幕で、蜂矢は本名でした。

▶ 連載「四股名あれこれ 動物編」全4回
動物編1 虎・馬・鹿(哺乳類) | 動物編2 熊・獅子・狼・猪・象・牛・猿と鳥 | 動物編3 鶴・鷹・鵆(鳥類) | 動物編4 鷲・蛇・鯱・鯉・蜂(本稿)

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田口 通廣の四股名の記事 一覧(連載「四股名の大元」「四股名のルーツ」「四股名あれこれ」ほか)

〔四股名の大元〕玉(片男波部屋)|栃(春日野部屋)|琴(佐渡ヶ嶽部屋)

〔四股名のルーツ〕○○富士|○鵬&○海(かい)|○風|○○里|寺尾という四股名にこめられた思い

〔四股名あれこれ〕1文字の四股名|頭に若がつく四股名|本名の四股名|四股名のパターン|丸と城と王|~の山|東西南北|動物編(全4回)|~花(上・中・下)|ひらがな変換編|~の・ノ・乃海(全5回)|本名をもじったもの(上・下)|春日野部屋編

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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