鶴竜の様子が伝えられている。調整段階で
あって、本格的稽古はこれからになりそうだ。
横綱だけに不成績はあげられない。それで
なくても横綱審議委員会から休場の多さを
指摘されているから難しい立場におかれて
いる。鶴竜の休場はここ6場所で不戦敗を
含め、63になる。休場率は70%になる。鶴竜
は「よくわかっている」と休場の多さを認識
している。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/10/120117十日目幕内別角-872鶴竜-e1603500502461.jpg)
ただ、鶴竜は出場して玉砕して引退といか
ない事情がある。親方になるための日本国籍
取得がまだなのである。申請は2018年にした
との報道があり、来年までかかるのでは、
という見通しが出ている。横綱は引退して
5年間は横綱のままで年寄りになれる、と
いう規定がある。しかし、この規定は日本
国籍が前提である。今のままで横綱5年間
規定は適用されないのである。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/10/180109明治神宮土俵入り-278-e1603500525443.jpg)
外国人力士の大きな壁となっているのが、
年寄は日本国籍を有する者に限るという規定
である。なぜ、この規定ができたのか。今と
なっては知る者が少なくなってきた。この
規定ができたいきさつは一言でいうと柔道の
二の舞を避けるためである。柔道は今や原点
から遠くなってしまった。細分化された体重
制、有効、教育的指導、投げ逃げ、押さえ
込み25秒、カラー柔道着などに様変わりして
しまった。
無差別で技ありと一本、押さえ込み30秒の
かつての柔道の面影は失われてしまった。
柔道はJUDOという別な格闘技に変貌してしま
ったのである。これは柔道が国際組織によっ
て柔道の原型が失われたことによるもので
ある。つまり、大相撲が外国人によって様変
わりするのを恐れたのである。年寄は日本
国籍を有する者に限るという規定は、外国人
関取が高見山しかいないときに、春日野(元
栃錦)理事長時代につくられた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/10/150927千秋楽表彰-708-e1603500551459.jpg)
自分が強くなるだけでは半人前、強い力士を
育ててこそ一人前と言われる。鶴竜は今の
ままでは年寄になれない。といって引退して
しまえば協会には残れない。亡き師匠井筒
(元逆鉾)の井筒部屋の再興もできなくなる。
なんとも難しい立場にたたされている鶴竜
だが、引退するにできない事情がある。鶴竜
の困惑は続くことになる。
久々にプロ野球中継を見ました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。