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力量不足の横綱はなぜ生まれる

白鵬・鶴竜が35歳なおかつ休場がちで長く
ないと誰しも思う。そんなとき七月場所12勝
3敗だった朝乃山が九月場所優勝すれば横綱
という線がなきにしもあらず、という見方が
あった。しかし、大半は九月場所で朝乃山が
横綱を目指す場所とは認識していなかったと
思う。それにしても横綱は12勝-優勝で誕生
するものなのか。今、次の横綱がほしいとこ
ろだが、安易な横綱づくりはがっかり横綱に
つながりかねない。

<鶴竜>

優勝制度は大正15年に始まった。そこで昭和
に誕生した玉錦以降の横綱の優勝回数ワースト
を見ていこう
▼優勝0
武蔵山
男女ノ川
安芸ノ海
前田山
吉葉山
双羽黒
3若乃花

▼優勝1回
朝潮
栃ノ海
琴櫻
大乃国
旭富士
稀勢の里

▼優勝2回
照國
三重ノ海
隆の里
横綱時代優勝なき横綱が7人もいる。いさ
さか多すぎやしないだろうか。優勝1回、
優勝2回だってけして誉められたものでは
ない。これでは横綱の責任を果したとはとう
てい言えない。琴櫻、旭富士、3代目若乃花
は連続優勝で横綱に昇進している。連続優勝
は一時的な勢いで、文句なしの基準になら
ないことを証明している。

<武蔵山のブロマイド>

優勝率はどうだろうか。優勝率%=(優勝
回数÷横綱在位場所数)×100である。なお、
横綱在位場所数に中止の場所数は入れていな
い。ここでは優勝回数0から2回の優勝回数
横綱以外の横綱をあげてみる。6場所に1回
優勝すれば、優勝率は16.7%である。これ
以下に該当する横綱は以下である。
千代の山9%
鏡里 14%
柏戸 9%
佐田の山16%
2若乃花11%
日馬富士16%
鶴竜 14% 現役

ちなみに横綱優勝率ビッグ3は以下である。
白鵬は現役だから数字は変化する。
朝青龍55%
双葉山52.94%
白鵬 52.56%

<朝青龍>

横綱勝率はどうか。11勝4敗で勝率0.773で
ある。6割台以下の横綱が次である。17人も
いる。
前田山0.471
武蔵山0.5
稀勢の里0.5
栃ノ海0.596
男女ノ川0.613
3若乃花0.616
吉葉山0.619
朝潮 0.638
琴櫻 0.66
大乃国0.662
安芸ノ海0.667
双羽黒0.692
鏡里0.6933
隆の里0.6934
鶴竜 0.695(現役)
東富士0.6976 
千代の山0.6983

<前田山のブロマイド>

ちなみに勝率ビッグ3は以下である。白鵬は
現役だから数字は変化する。
双葉山0.882
白鵬 0.873
玉の海0.867
同じ横綱とは思えない。あまりにも差があり
すぎる。横綱にも時代を築いた横綱、次点
横綱、横綱心得と引退したときランク付けが
必要なときかもしれない。

こうしたピンからキリまで差がある横綱は、
なぜ生まれるのか。それは横綱昇進基準の
品格力量抜群という項目を無視、あるいは
軽視してきたからである。品格ははかりにく
いが、力量抜群である力士が、量産される
はずがないのは確かである。その結果、弱い
横綱、実績が伴わない横綱が随分誕生した。

<双葉山のブロマイド>

今は横綱が不在になるかもしれない時代で
ある。こんなとき力量抜群でない横綱を繰り
上げで誕生させても中身がともなわない恐れ
がある。見たいのは時代を築ける横綱である。

雨で九州へ荷物を送れません。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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