大相撲

力量不足の横綱はなぜ生まれる

2020年10月23日

白鵬・鶴竜が35歳なおかつ休場がちで長く
ないと誰しも思う。そんなとき七月場所12勝
3敗だった朝乃山が九月場所優勝すれば横綱
という線がなきにしもあらず、という見方が
あった。しかし、大半は九月場所で朝乃山が
横綱を目指す場所とは認識していなかったと
思う。それにしても横綱は12勝-優勝で誕生
するものなのか。今、次の横綱がほしいとこ
ろだが、安易な横綱づくりはがっかり横綱に
つながりかねない。

<鶴竜>

優勝制度は大正15年に始まった。そこで昭和
に誕生した玉錦以降の横綱の優勝回数ワースト
を見ていこう
▼優勝0
武蔵山
男女ノ川
安芸ノ海
前田山
吉葉山
双羽黒
3若乃花

▼優勝1回
朝潮
栃ノ海
琴櫻
大乃国
旭富士
稀勢の里

▼優勝2回
照國
三重ノ海
隆の里
横綱時代優勝なき横綱が7人もいる。いさ
さか多すぎやしないだろうか。優勝1回、
優勝2回だってけして誉められたものでは
ない。これでは横綱の責任を果したとはとう
てい言えない。琴櫻、旭富士、3代目若乃花
は連続優勝で横綱に昇進している。連続優勝
は一時的な勢いで、文句なしの基準になら
ないことを証明している。

<武蔵山のブロマイド>

優勝率はどうだろうか。優勝率%=(優勝
回数÷横綱在位場所数)×100である。なお、
横綱在位場所数に中止の場所数は入れていな
い。ここでは優勝回数0から2回の優勝回数
横綱以外の横綱をあげてみる。6場所に1回
優勝すれば、優勝率は16.7%である。これ
以下に該当する横綱は以下である。
千代の山9%
鏡里 14%
柏戸 9%
佐田の山16%
2若乃花11%
日馬富士16%
鶴竜 14% 現役

ちなみに横綱優勝率ビッグ3は以下である。
白鵬は現役だから数字は変化する。
朝青龍55%
双葉山52.94%
白鵬 52.56%

<朝青龍>

横綱勝率はどうか。11勝4敗で勝率0.773で
ある。6割台以下の横綱が次である。17人も
いる。
前田山0.471
武蔵山0.5
稀勢の里0.5
栃ノ海0.596
男女ノ川0.613
3若乃花0.616
吉葉山0.619
朝潮 0.638
琴櫻 0.66
大乃国0.662
安芸ノ海0.667
双羽黒0.692
鏡里0.6933
隆の里0.6934
鶴竜 0.695(現役)
東富士0.6976 
千代の山0.6983

<前田山のブロマイド>

ちなみに勝率ビッグ3は以下である。白鵬は
現役だから数字は変化する。
双葉山0.882
白鵬 0.873
玉の海0.867
同じ横綱とは思えない。あまりにも差があり
すぎる。横綱にも時代を築いた横綱、次点
横綱、横綱心得と引退したときランク付けが
必要なときかもしれない。

こうしたピンからキリまで差がある横綱は、
なぜ生まれるのか。それは横綱昇進基準の
品格力量抜群という項目を無視、あるいは
軽視してきたからである。品格ははかりにく
いが、力量抜群である力士が、量産される
はずがないのは確かである。その結果、弱い
横綱、実績が伴わない横綱が随分誕生した。

<双葉山のブロマイド>

今は横綱が不在になるかもしれない時代で
ある。こんなとき力量抜群でない横綱を繰り
上げで誕生させても中身がともなわない恐れ
がある。見たいのは時代を築ける横綱である。

雨で九州へ荷物を送れません。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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