正代が大関に昇進したことで学生出身の大関
は朝乃山と2人になった。正代と朝乃山は
横綱を目指すライバルになった。だが、これ
まで学生出身の大関は何人もいても、横綱
となると輪島一人しかいない。輪島が横綱
としてデビューした場所は昭和48年七月場所
であった。それから47年以上経っていても、
学生出身の横綱は誕生していない。
輪島はどのようにして横綱になったのか。
これを輪島モデルとしてこの基準にあてはめ
てこそ朝乃山と正代のこれからがみえてくる。
1.輪島が入幕したのは23歳である。
2.新小結・新関脇は24歳である。
3.新大関は24歳である。
4.大関は4場所で通過している。
5.横綱は25歳から33歳まで務めている。
輪島は早生まれなので年齢面では得をして
いる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/10/羽黒 輪湖2-e1602299156532.jpg)
横綱が期待された先人の学生出身に豊山(前
名内田)がいた。
1.新入幕は25歳
2.新小結・新関脇は25歳
3.新大関は25歳
豊山は新大関の場所7勝8敗で負け越して
いる。翌場所は13勝2敗をあげているが、
連続好成績はついになかった。
朝乃山はどうか。
1.新入幕は23歳
2.新小結・新関脇は25歳
3.新大関は26歳
朝乃山は新入幕から新小結までが13場所を
要している。輪島は6場所であった。ただし、
新小結から3場所で新大関になっている。
急速な進歩。急速に力をつけてきた。大関は
2場所経過したが、12勝-10勝と2ケタ勝利
をおさめてきた。だが、何か足りない。横綱
の可能性を思わせる要素が今のところ感じ
られない。輪島は安定性が抜群で横綱は時間
の問題だと思われた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/10/200111初日前日-223-e1602299174639.jpg)
正代はどうか。
1.新入幕は24歳
2.新関脇は25歳
3.新大関は28歳
新三役までは輪島と一緒で6場所を要した。
ここからが違った。三役を落ちてから復帰
するまでが長かった。17場所を要した。復帰
したのは今年(2020年)の三月場所であった。
それから3場所で大関を決めた。新大関は
28歳とやや遅咲きであった。正代の横綱は
短期決戦が望まれる。これを逃すと、横綱に
なれたとしても短命に終わる恐れがある。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/10/170314三日目幕内-676-e1602299216192.jpg)
輪島は必ずしも大成するとはみられていな
かった。胸が薄く、相撲が小さかったから
である。そのなかで左前褌右おっつけの型を
完成させた。右のおっつけが強力だから左の
下手投げを食う。これが横綱輪島の原動力で
あった。朝乃山と正代は強烈な型を身につけ
られるか。横綱はなれるか否かはそこにかか
っている。
毛布をかけて寝ています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。