九月場所の貴景勝は久々に優勝争いをし、
12勝3敗で次点となった。正代との2敗対決
に敗れたことが大きかった。最近の傾向は、
優勝を争う直接対決を制した力士が優勝して
いる。貴景勝が大関に昇進してから1年半
経過した。1年半といってもその間関脇の
場所と中止になった場所があるから実質7場
所になる。大関貴景勝の通信簿はどのような
ものか。改めてみていこう。
大関7場所の成績は50勝29敗26休である。
勝率6割3分3厘である。これは1場所9.5
勝に相当する。7場所中3場所は負け越して
いる。大関の負け越し率は43%である。3不
戦敗を含めた休場率は39%になる。大関と
しての実績は合格からはほど遠いと言わざる
を得えない。ちなみに貴景勝の関脇・小結
時代は5場所務めて48勝27敗である。勝率
6割4分である。これでは貴景勝は大関に
なってもたいして強くなっていないことに
なる。
大関における主な負け越し対戦成績は以下で
ある。( )は通算成績である。
■負け越し
正代 0勝3敗(7勝5敗)
朝乃山1勝3敗(4勝4敗)
北勝富士2勝4敗(9勝6敗)
白鵬 0勝1敗(1勝5敗)
鶴竜 0勝1敗(1勝4敗)
白鵬・鶴竜は出場自体がどうなるかわから
ない。三月場所の状態なら強敵になる。朝乃
山には通用しなくなっていたが、九月場所
一矢むくいた。正代には大関になって勝った
ことがない。これではいけない。北勝富士
には分が悪い。現在連敗中で九月場所も引い
て負けている。十一月場所はこうした点を
克服していかないと優勝は難しい。
参考までに大関における主な五分、接戦、
圧勝もあげておく。( )は通算成績である。
■五分
栃ノ心1勝1敗1不戦敗(8勝2敗1不戦敗)
竜電 1勝1敗(3勝1敗)
霧馬山1勝1敗(1勝1敗)
徳勝龍1勝1敗(1勝2敗)
■接戦
玉鷲2勝1敗1不戦敗(9勝4敗1不戦敗)
隠岐の海3勝2敗(7勝3敗)
豊山 2勝1敗(3勝1敗)
■圧勝
遠藤 5勝1不戦勝(6勝1不戦勝2敗)
妙義龍3勝0敗(10勝0敗)
阿武咲2勝0敗(4勝2敗)
なお、九月場所対戦がなかった御嶽海には
大関で4勝1敗だが、通算は優勝決定戦を
含み8勝9敗と負け越している。
貴景勝はまだ若くこれからの力士である。
大関としての実績をアップしていくことは
いくらでもできる。まず、優勝することで
ある。初優勝からすでに10場所経ってしまっ
た。遠い昔になりつつある。横綱は休場がち
であるだけにチャンスはあるはずだ。組んで
戦うことは考えていないようである。だと
したら押しの威力、戦い方を高める以外に
ない。貴景勝の健闘を期待する。
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