正代の大関昇進が決定的な状況である。大関
になっても本名の正代でいくとのこと。輪島
が本名で通すことになったのは、どこにでも
ある名前ではないというのが理由であったが、
正代にもいえる。その正代が強さを発揮した
のは実は今年に入ってからである。 正代の
実力はどのように変遷していったのか。検証
してみることにした。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/09/150125千秋楽十両幕下以下-799-e1601380825618.jpg)
正代は学生出身である。大学は東農大である。
東農大の先輩が過去入門している時津風部屋
に入門した。ただの新弟子ではなかった。
筋金入りの学生出身は序ノ口から十両卒業
までわずか10場所というスピード出世であっ
た。その間の成績は68勝18敗、勝率7割9分、
負け越しなしという抜群の成績だった。
正代は2016年一月場所入幕した。琴奨菊が
初優勝した場所である。この場所10勝5敗で
敢闘賞を受賞している。入幕3場所目には
初の上位東前頭2枚目に上がった。横綱は
白鵬・鶴竜・日馬富士、大関は稀勢の里・
豪栄道・琴奨菊・照ノ冨士であった。照ノ
富士に勝っただけで、入門以来6勝9敗で
初の負け越しとなった。横綱・大関部分対戦
では勝ち越しているもののフル対戦では2度
負け越している。この年は横綱戦7敗と通用
しなかった。大関戦は4勝9敗と星を残した。
2016年は上位にまだまだ通用しなかった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/09/160110初日十両-427.jpg)
2017年一月場所、関脇に昇進したが、7勝
8敗と惜敗した。三月場所は小結に番付を
落としたが、横綱白鵬に勝利した。横綱戦
初勝利にも関らず、この場所は4勝11敗と
大敗した。2017年は横綱戦2勝9敗、大関戦
5勝7敗と前年より勝てるようになった。
でも、横綱・大関と総当たりした場所が4場所
あったが、 まだ勝ち越せなかった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/09/170312初日幕内-1004-e1601380863656.jpg)
2018年、正代は横綱・大関総当たりの場所で
2場所勝ち越せた。五月場所1横綱2大関が
休場した。出場したのは横綱白鵬、鶴竜のみ
という状況下ではあったが、9勝6敗と結果
を残した。十一月場所は3横綱が休場のなか
であったが、8勝7敗と勝ち越した。しかし、
横綱・大関総当たりの場所で4場所は負け
越している。2018年は横綱戦9敗、大関戦
6勝7敗と横綱にはなかなか勝てなかった。
2019年一月場所、横綱・大関でフル対戦しな
がら7勝8敗だった。しかし、次の三月場所
は5勝10敗と2ケタ負けした。五月場所は
部分対戦だった。七月場所は一月場所同様
7勝8敗で惜敗した。ところが九月場所は
入幕以来最悪の3勝12敗と大きく 負け越し
た。十一月場所は前頭10枚目まで 番付を
下げた。この年横綱戦5敗、大関戦5勝7敗
だった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/09/200927千秋楽表彰-101.jpg)
正代が様変わりしたのは2020年からだった。
一月場所いきなり優勝争いをし、13勝2敗の
好成績を残した。三月場所は関脇に復帰した。
無観客開催だったが、8勝と三役で初めて
勝ち越した。五月場所は新型コロナウイルス
の緊急事態宣言で中止になったが、七月場所
は最後まで優勝の可能性を残したが、11勝
4敗と三役で初の2ケタを記録した。そして
記憶に新しいところで、九月場所で初優勝。
大関昇進を決定的にした。4年分の苦闘の
なかから特別な地位にかけあがったのであっ
た。
中華店にいってきました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。