大相撲

新大関正代論

2020年9月30日

大関の伝達式がおこなわれる時津風部屋は、
内外ともに数多くの胡蝶蘭が飾られていた。
壮観な眺めである。協会使者として鏡山
(元多賀竜)と立川(元土佐ノ海)が派遣
され、部屋に午前に着いた。時津風(元
時津海)は急病のため、枝川(元蒼樹山)が
代行して伝達式に臨んだ。正代は「謹んで
お受けいたします。大関の名に恥じぬよう、
至誠一貫の精神で相撲道に邁進してまいり
ます」と四字熟語をいれ、口上を述べた。
大関正代の誕生である。

<使者を迎える正代>

今年(2020年)にはいってから正代は見違え
るように飛躍した。上位ではなかなか勝て
ない正代が、2ケタ勝利が続いた。しかも
九月場所は優勝だった。大関にはなるべく
してなるタイプと思いがけず強くなってなる
タイプがある。前者は大鵬、北の湖、輪島、
貴乃花などである。正代はある日突然強く
なったタイプである。

正代はどんな大関になるだろうか。大関は
特別な地位である。それにも関らず、8勝、
9勝の成績が10勝以上より多い大関を随分
みてきた。いわば大関になったとたん弱く
なっているのだ。これは、大関降格は2場所
連続負け越しの規定に甘えてしまう傾向が
あるからだ。正代の心構えにかかっている。

<満面の笑み正代>

技術的にはどうか。右四つ寄り。もろざし
からの速攻。突き落としをみせることがある。
これらにさらに磨きをかけることである。
ただ、これからは正代をみる周囲の目が違っ
てくる。そのためにも正代は型を完成させる
ことが望ましい。

学生出身大関という点ではどうか。学生出身
は一般的に年齢が高くなる。大学4年のとき
すでに21歳から22歳である。正代は28歳で
ある。これまで学生出身の大関は7人いる。

豊山=前名内田
輪島
朝潮(長岡)
出島
武双山
雅山
琴光喜
朝乃山

<元豊山の先々代時津風(左)>

横綱になったのは輪島だけである。部屋の
先輩に豊山=前名内田がいる。出身はともに
東農大である。豊山は横綱を期待させる逸材
であった。大鵬という巨大な壁の前に横綱は
おろか優勝なく終わっている。ここ一番に
弱かった。出島、武双山、雅山は大関降格
経験がある。琴光喜は野球賭博で解雇された。
学生出身の横綱は容易ではないことがよく
わかる。※注:旭冨士は中退である。

今の横綱白鵬・鶴竜は休場がちである。大関
は事実上最高の地位となり、責任ある最強の
立場になる。正代には2017年の一月場所の
稀勢の里以来の大関優勝をまず達成していた
だきたい。

相撲ファンと長々と話しました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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