大相撲

2020年九月場所総評

2020年9月28日

★多数の休場者を出したが
両横綱をはじめ出場停止の阿炎を含め、幕内
は10人に及んだ。石浦は途中出場、琴奨菊・
霧馬山は再出場したが、これでもかという
感じで休場力士は、留まることがなかった。
新型コロナウイルス感染者が発生した玉ノ井
部屋は部屋の力士が陰性でも不出場になった。
十両では2人、幕下以下では部屋丸ごと休場
となった。幕内の休場は、それにしても多
すぎる。幕内力士の24%に相当する。歯止め
がかからないと大相撲はもう一つ盛り上がり
に欠ける

<電光掲示板>

★観客の入りについて
七月場所は14日目、千秋楽がよく入った。
九月場所は初日、七日目、中日、後半は、
マス席はよく入った。2階イス席は1階ほど
ではなかった。イス席には記者席がいくつか
設けられているが、それでもなかなか満席
にはならなかった。千秋楽はよく入った。

★優勝争いについて
上位で貴景勝と正代が争ったのはよかった。
幕内中位以下で翔猿はじめ若隆景等が争った
が、上位2敗組とは早めに対戦させる工夫が
必要である。後手にまわっていると日程が
なくなってくる。その挙句御嶽海-貴景勝、
御嶽海-正代が組まれないという事態を引き
起こしている。いつまでもこんなことを繰り
返してはいけない。

<優勝した正代>

★優勝した正代に関して
正代は貴景勝、朝乃山、翔猿との直接対決で
勝利したことが優勝につながった。朝乃山戦
は特に強かった。5勝2敗から8連勝したこ
とは賞賛に値する。底力を示した。

★正代の大関について
正代が大関にふさわしいかどうかは、来場所
以降の成績で決まる。大関降格規定の「2場
所連続負け越し」に甘えると、大関になった
とたん、9勝、8勝に終始する。正代がそう
ならずに、10勝以上の成績を続け、時には
横綱以上の存在価値を示せれば、大関にふさ
わしい、といえる。

★朝乃山・貴景勝の両大関について
朝乃山は初日からの3連敗が響いた。調子を
戻してきたとはいえ、優勝争いで一歩さがっ
たポジションだった。そして正代に完敗。
このところ分がよかった貴景勝にも敗れた。
これでは優勝できない。なぜ敗れたかを分析
して次の場所に臨み、リベンジをはたすこと
である。

<朝乃山、正代に完敗>

貴景勝は久々に優勝争いをしたが、次点で
終わった。北勝富士戦は引いて、もったい
なかった。正代との直接対決で勝てなければ、
あとは他力になる。これでは優勝できない。
初優勝から10場所経過した。このままで終わ
るとは思わないけれど、今のままでは優勝の
決定打が見えてこない。

<2敗対決で貴景勝に勝利した正代>

★三賞について
殊勲・敢闘正代、敢闘翔猿となったが、若隆
景が受賞してもおかしくなかった。2人だけ
の三賞というので驚いた。

★そのほか気がついた点
翔猿の活躍で新入幕の優勝なら106年ぶり
という言葉が聞かれたが、優勝制度は大正
15年より始まっている。明治43年夏場所国
技館開設と共に始まったのは、時事新報社が
幕内最高成績者の額を国技館に掲げる制度
である。対戦相手が休場すると自分も「や」
扱いになるように不戦勝不戦敗制度はなかっ
た。取り直し制度もなく、制度的に不備の
時期だった。

★場所の採点は
50点

最後に私製番付を掲載する。これは予想番付
ではない。番付は関脇以下を編成するもの。
基本関脇以下の成績をベースにした。ただし、
大関に勝った星は加えた。横綱・大関と対戦
する、しないではそれほど違うモノなので
ある。御嶽海は8勝6敗、翔猿は11勝3敗
扱いになる。ただし、横綱・大関戦の不戦敗
は別である。

古い友人に会いました。

興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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