正代か翔猿か。優勝の行方は結び前の2敗
正代対3敗翔猿の一番にかかっていた。と
いっても実力差がありすぎる。あるいは相撲
にならない可能性さえある。ところが現実は
違った。
翔猿があたって正代を寄りたてさらに押し
込む。正代土俵際に詰まる危ない体勢。翔猿
が引くと正代反撃に出るが、翔猿がいなし。
正代体勢が危うかったが、持ち直すも翔猿
もろざし。正代力の突き落としに翔猿がくず
れた。
翔猿は正攻法の攻め、そのあと動き重視の
奇襲と予想を上回る大健闘だった。一方正代
は緊張したのか慎重になりすぎたのか、いつ
もの正代ではなかった。かろうじて残し、
相撲は大苦戦したが、勝負に勝った。
これで正代が負けたら巴戦の可能性がでて
くる。地方から観戦に来、千秋楽飛行機で
帰る相撲仲間がいる。しかし、巴戦では飛行
機の出発時間がやばくなるところだった。
彼が一番きもを冷やしたかもしれない。
大苦戦のなかで正代の初優勝が決まった。
一月場所、対戦相手では徳勝龍より強豪と
対戦しながら、優勝を徳勝龍にさらわれた。
このくやしさを九月場所千秋楽で晴らした。
正代の優勝の要因は直接対決を制したこと
である。2敗同士の貴景勝戦、2敗対3敗戦
となった朝乃山戦。そして千秋楽の翔猿戦。
これらに勝っていったのが初優勝につながっ
た。
それにしても大関は優勝できない。横綱不在
でも優勝できない。大関の優勝は2017年一月
場所の稀勢の里以降ない。これは憂鬱である。
大相撲のあるべき姿ではない。正代優勝で
めでたしめでたしとはいかない、もう一つの
お寒い事情があった。
KW氏からさしいれをいただきました。
いつも本当にありがとうございます。
興味深いテーマをこれからもお届けします。