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不毛の時代が続く大相撲

一月場所の徳勝龍の幕尻優勝は、史上最大の
下克上と呼ばれた。同時にこの場所は白鵬、
鶴竜の両横綱の衰退が顕著になった場所でも
あった。誰が優勝するかわからない。誰が
優勝しても不思議でない。そんな優勝力士
予測不能の時代に入って久しいが、徳勝龍の
優勝は驚きをもって捉えられた。

優勝力士予測不能時代はいつから始まった
とみるべきか。2018年の栃ノ心の平幕優勝
からと見る。この間13場所、横綱が6回、
大関が0回、関脇小結が4回、平幕が3回
優勝している。一見、横綱が6回とトップで
あるが、13場所の半分以下である。休場も
多い。13場所間に白鵬は8回、鶴竜は6回
休場している。鶴竜は3場所連続休場中で
ある。今年両横綱は35歳を迎える。そう大き
な期待はもてなくなってきている。

<休場が多い白鵬>

それにしても関脇・小結が4回、平幕が3回
優勝しているのに、大関が0とはひどすぎる。
白鵬・鶴竜がそろって休場した場所が5場所
あっても大関は優勝できない。大関ってそん
なに頼りない存在だったのか、と思わずに
いられない。その大関も三月場所は貴景勝
一人になる。その貴景勝は優勝徳勝龍、次点
正代と平幕に連敗する結果で終わっている。

<正代に敗れた貴景勝>

大正15年、優勝制度ができてから平幕優勝
力士は27人いる。翌場所の成績は、脱退した
綾桜と未知数の徳勝龍を別にすると、154勝
205敗である。勝率は4割である。貴花田も
翌場所は5勝10敗と大敗している。平幕優勝
は翌場所の成績が芳しくないケースが多い 。
誰が優勝するかわからないだけでなく、
平幕優勝の翌場所は期待できない傾向がある
のだ。

<輪島(左)と北の湖>

昭和47年の一月場所から七月場所までは、
誰が優勝するかわからない時代であった。
それが、短期ながら横綱北の富士、大関琴櫻
がつなぎ、輪島そして北の湖の時代が開花
した。次のヒーローは控えていたわけである。
現代大相撲にはそれがない。不毛の時代は
続きそうである。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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