今日から豪栄道が休場した。栃ノ心もそう
だが、いかにも負けがこんだから休場した
印象が強い。NHKの解説者だった玉の海
梅吉さんなら「悪いところがあるなら、最初
から休場すべきである。負けこんでの休場は
いかにもみっともない」と戒めるところで
ある。この言葉は虫垂炎を注射で散らして
いた横綱玉の海に言ったものである。また、
魁傑は「休場は試合放棄」として休まなかっ
た。当時は負けが込むと休場するのがあたり
前だった風潮に、魁傑の言葉は新鮮に受け
とめられた。
豪栄道の休場によって横綱・大関リーグ戦は
わずか3番しかない。12日目まではおそらく
おこなわれないだろう。どこかで取組の谷間
の日が出るような気がする。先場所は朝乃山
をめぐる取組編成のまずさから豪栄道対高安
戦、豪栄道対栃ノ心戦、鶴竜対朝乃山戦、
高安対朝乃山戦が実現しなかった。数多くの
取組がなくなったが、今場所は真逆である。
3大関が不在のせいか、上位の取組がいさ
さか寂しく映る。鶴竜対大栄翔。大栄翔突い
て出るも、鶴竜さがることなく、落ち着いて
さばいて、はたき込んだ。
正代対白鵬。白鵬踏み込んで左差し、出るが、
正代土俵際ですくって白鵬およぎそうになる
も、もちこたえ、体が放れるもすぐさま左四
つになる。白鵬出るもその後はたき込みで
決めた。正代対白鵬戦は熱戦というより、
もつれて展開が変化した相撲であった。
舞の海氏は、白鵬が1敗したほうが、優勝
争いは面白くなるような趣旨の発言をして
いたが、解説者が言うべきことではないだ
ろう。
九日目、全勝鶴竜は2勝6敗の明生戦である。
しかも明生の敗戦に横綱・大関・関脇・小結
戦ははいっていない。豪栄道の不戦勝がある
だけである。祝日結びの一番は状況的には
盛り上がりに欠ける。頼りは明生の気迫・