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横綱張り手是非論

七月場所14勝1敗で優勝した白鵬に、珍しく?
横綱審議委員会から苦情がでた。苦情の中身
は張り手が多すぎるというのである。格闘技
は組んで行うレスリング、柔道と離れて行う
ボクシング、ムエタイなどに分けられる。
ところが、相撲は組むときもあれば離れる
ときもあるきわめて珍しい格闘技である。
170712四日目幕内 1044
<白鵬対貴景勝>

張り手は離れて戦っているときに出る。立ち
合いからいきなり出てそのままKOで相手は
ひざから崩れていくケースもある。相撲の中
ではかなり荒っぽい面がある技である。アマ
チュアの中には禁じ手にしている場合もある。
大相撲ではもちろん反則ではない。
昭和16年春場所は大関前田山の張り手旋風の
場所だった。前田山は闘志の塊のような力士
であった。その前田山の張り手で横綱双葉山、
大関羽黒山があいついで敗れてしまった。
双葉山、羽黒山ともに14勝1敗という成績で
唯一の黒星が前田山であった。ちなみにこの
場所、双葉山は8回目の優勝を成し遂げて
いる。
170720十二日目幕内 619
<玉鷲対白鵬>

白鵬の張り手については、テレビ朝日の羽鳥
慎一モーニングショーやグッド!モーニング
で取り上げられたが、好角家、評論家の意見
は分かれた。「張り手を全面的に否定する
ものではないが、それを立ち合いからやって
ぶっ倒そというのは、挑戦者がやる分には
まだいいと思いますけど、横綱がやっちゃ
見苦しいなと思いました」「負けられない
横綱の立場を考えれば度を越した取り口と
いうのはないですよ」「白鵬はこういう手段
に出なくてもいいんじゃないか。目先の白星
にこだわる必要はない」「張り手自体は有利
に持ち込むための技の一つ。横綱がやっては
いけないものではない」
筆者は必要性があるならともかく、そうで
ないときは乱発すべきではない、という見解
である。また、張り手は脇があくので、対戦
相手は顎を引いてさし勝つ戦法が必要である。
対戦相手にも張り手封じの工夫を見せていた
だきたい。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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