鶴竜が日馬富士との横綱戦を制して、14勝
1敗の堂々たる成績で優勝した。鶴竜が横綱
に昇進して16場所目のことであった。今年
1年間優勝争いをすることができず、存在
価値を問われかねなかったが、見事脱却した。
優勝か否か、明暗を分けたものは何か。それ
は、取りこぼしである。
日馬富士…1敗
鶴竜…0
白鵬…1敗
豪栄道…2敗
稀勢の里…3敗
<3回目の優勝を達成した鶴竜>
鶴竜は取りこぼしなしで横綱・大関戦に入っ
た。この差は大きい。次点12勝の稀勢の里は
横綱・大関戦に全勝しながら、平幕に3敗
している。もったいない話である。精神面が
持ち味を殺している。また、日馬富士はどう
しても取りこぼしがつきまとう。磐石白鵬も
休場明けのせいか、遠藤にまったくいいとこ
ろなく敗れ去っている。優勝するためには
取りこぼしをなくすることである。
<年間最多勝で表彰された稀勢の里>
遠藤と正代、同じ前頭3枚目でありながら、
明暗を分けた。遠藤が横綱・大関と7番取っ
たのに対し、正代は同部屋で対戦がない日馬
富士、照ノ富士、稀勢の里の3戦に過ぎない。
この対戦数が遠藤と正代の明暗を分けた。
当然横綱・大関戦7番のほうが成績をあげる
上では難しい。遠藤はわずか1点の負け越し
に対し、横綱・大関3番の正代は11勝と星を
残し、敢闘賞を受賞して来場所は三役が予想
される。番付わずか半枚の差がここまで大き
な差となって表われたのである。
<玉鷲に負け、負け越した遠藤>
<敢闘賞を受賞した正代>
千秋楽、稀勢の里対琴奨菊の大関戦が組まれ
なかったのは異例である。いいこととはけし
て思わない。三役以上はリーグ戦のつもりで
取組編成をしなければ、優遇されている意味
が失われる。今後は奇をてらう取組は見たく
ない。
福岡から戻って忙しさの本番が始まる。
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