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四股名のルーツ【○鵬&○海(かい)】

始めにこのテーマは、対象を幕内力士に限定
していることをお断りしておく。
近年になって白鵬をはじめ、○鵬という四股
名が目立ってきた。この四股名の元祖はいう
までもなく大横綱大鵬である。師匠の二所
ノ関(元佐賀ノ花)が中国の古典に出てくる
ひと飛びで9万里飛翔する伝説の鳥から
名づけた。最初大鵬という四股名を聞いた
とき、耳慣れない音だと思った。ところが、
新入幕で11連勝したり、入幕した年に優勝
したりすると大鵬という四股名はたちまち
ポピュラーかつビッグになっていった。
大鵬!
<元祖鵬の字の大鵬>
 
ところが、不思議なことに大鵬に続いて、
○鵬という四股名は出てこなかった。大鵬の
現役時だけでなく、引退してもしばらく出て
こなかった。第2号は大鵬の弟子の嗣子鵬で
ある。大鵬の昭和35年一月場所の入幕から
19年半以上も経っていた。第3号はモンゴル
力士の1期生旭天鵬である。平成10年一月
場所入幕で大鵬入幕から38年経過していた。
このあたりから○鵬が目立ち始めた。(  )
は入幕。
海鵬(平成10年五月場所)
白鵬(平成16年五月場所)
露鵬(平成16年九月場所)
琉鵬(平成18年九月場所)
若ノ鵬(平成19年十一月場所)
千代白鵬(平成20年七月場所)
20120520千秋楽表彰 529
<白鵬&旭天鵬>
 
息の長い力士として定着させたのが旭天鵬
なら、さらにビッグにしたのが横綱白鵬で
あった。6場所時代最強の横綱として、大鵬
の優勝32回を破り、双葉山の69連勝にもっ
とも迫った63連勝を達成した。今後も○鵬は
使用され続けていく可能性は高い。
 
天鎧鵬(平成24年一月場所)
旭秀鵬(平成24年一月場所)
大喜鵬(平成25年五月場所)
大喜鵬は今山口に戻しているが、今度十両に
復帰する。幕に戻ればこの四股名が復活する
かもしれない。
次に○○海(かい)の四股名のルーツを調べ
てみた。○○海で語尾を「うみ」と読む例は
数多くあるが、これを「かい」という読みに
なるとさすがに数は極端に減ってくる。どの
くらいの例があるのか。実はなんとわずか
6例しかない。3例出せればあなたは相撲通
である。
元祖は明治23年春場所入幕の北海である。
青森県出身、高砂部屋。右四つからの腰
投げを得意とした。最高位は前頭筆頭で、
年2場所の時代に幕内を27場所務めた。
第2号は大正3年春場所入幕で、秋田県
出身の日本海である。幕内は1場所で、
しかも途中休場だった。最高位前頭16枚目
だった。
新海 
<タコ足新海のブロマイド>
 
第3号はタコ足の新海である。しつこい足癖
でならし、食い下がっての足技はけして
はずすことなく、相手にもたれこんだ。昭和
2年夏場所入幕で出羽海部屋出身。この後
出てくる力士は、ご存知の方が多いであろう。
元千代大海は元千代の富士亡き後、九重部屋
を継いだばかりである。
千代大海
黒海
旭南海
現在幕下にいる慶天海が幕に入れば、第7号
として貴重な仲間入りを果たすことになる。
07九州七日目幕内 067
 <大関時代の千代大海>

飲み物が暖かいものが多くなった。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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