直前3場所38勝
直前4場所48勝
直前5場所60勝
上記のいずれかを満たして初めて審議対象にすると過去の横綱はど
うなるか。再び検証する。

柏戸はいずれの条件も満たしていない。直前3場所は33勝で豊昇龍
の先例にあたる。横綱昇進は時期尚早といわざるを得ない。
栃ノ海は昇進直前3場所38勝と条件を満たしている。しかし、栃ノ
海は手順通りにいけば勝てるが、盤石とはいえない。もう一場所見
たほうが無難であろう。

佐田の山は大関在位17場所と長かった。3場所連続13勝で横綱に昇
進した。横審誕生以降初めてのケースであった。大鵬は、自分がい
て最も苦労したのは佐田の山と語っていた。大鵬対佐田の山は熱戦
が多かったが、大鵬が多く勝利した。
横綱誕生の目途が立たない中で佐田の山、柏戸が引退していった。
大鵬は晩年に入っていた。そんななかで北の富士が連続優勝、3場
所38勝をあげて横綱に昇進した。清國の新大関優勝に燃えた北の富
士であった。

玉の海はいずれの条件も満たしていない。玉の海には12勝-12勝-
13勝優勝で横綱を見送られた過去があった。実際はそれが考慮され
た。ここでは見送っても玉の海はりっぱで安定した横綱になってい
た。
琴櫻は連続優勝したが、直前3場所は38勝に到達していない。琴櫻
は晩年に入っていた。32歳だった。もう1場所見た方がよかった。
輪島が横綱になるのは時間の問題だった。基本に忠実でうまさと強
さを兼ね備えていた。3場所39勝、4場所50勝、5場所63勝と文句
なしの横綱昇進成績であった。

(この項目続く)