さる七月場所の貴景勝は痛々しかった。角番だった
が5勝10敗と大敗した。相撲内容はケガがたたって
満足に自分の相撲が取れなかった。
きたる九月場所は関脇で10勝以上の成績によって大
関復帰だが、期待しにくい。後は元大関として関脇
以下で取る相撲人生になる。師匠の元隆三杉の常盤
山の定年は2026年2月末である。約1年7カ月ほど
ある。
ところが事情は変わってきている。再雇用だった元
大徹の湊川が退職した。この株を貴景勝が入手した
という。これで限界ならいつでも引退できる状態に
なった。
押し相撲はパワーが必要である。そのパワーはいつ
までも続かない。押しは忍に通じ、四つ相撲より消
耗する。
押しの先輩大関若羽黒・大受も大関を維持できなか
った。若羽黒は柏鵬時代の反逆児だった。大受は土
の香りがする力士だった。
貴景勝の今後はケガとの戦いになる。大関を離れて、
相撲を取り続けることになる。だが、これまでの功
績はけして消えることはない。