将棋の名人制はA級をはじめB1・B2・
C1・C2と各クラスに分かれている。A級
は10人のリーグ戦で最高成績者が名人に挑戦
できる。A級の順位は名人戦敗退者が1位、
以下成績順に2位から8位までが決定する。
最下位と9位がB1組に降格する。B2・
C1・C2はリーグ戦ではないが、それでも
成績順の順位になる。
幕内は横綱・大関の対戦圏内とそうでない
クラスの2部制である。七月場所は8勝7敗
の貴景勝がナンバー2に、負け越しの御嶽海
がナンバー3に、10敗した正代がナンバー4
というまことにおかしな番付がまかり通る
ことになる。五月場所の上位の成績は以下で
ある。リーグ戦ではないが準じる対戦形式で
ある。
これに基づく成績重視ランキングと予想番付
のベスト10を比較してみよう。
成績重視 予想番付
1位照ノ富士 照ノ富士
2位大栄翔 貴景勝
3位隆の勝 御嶽海
4位霧馬山 正代
5位若隆景 若隆景
6位琴ノ若 大栄翔
7位玉鷲 豊昇龍
8位貴景勝 阿炎
9位豊昇龍 霧馬山
10位阿炎 逸ノ城
次点逸ノ城 琴ノ若
視点を変えると大きく異なってくることが
わかる。貴景勝、正代は五月場所たまたま
成績が悪かったわけではない。今年に入って
すべてよくない。貴景勝は1勝-8勝-8勝
である。正代は6勝-9勝-5勝である。
これで大関にいられるのは、大関制度に欠陥
があるとしかいいようがない。大関直前3場
所の好成績はもはや過去の栄光でしかない。
番付はどうあるべきか。実際、幕内は横綱・
大関の対戦圏内とそうでないクラスの2部制
であるにもかかわらず、相変わらずごっちゃ
にしての番付編成だった。現在の大関制度
では0勝から7勝まで同じ意味しかもたない。
そこからくるのは必ずしも実力制番付とは
言えない現実がある。
番付予想は数々あるが、協会の思惑とは別に
1度見直して番付のありようを考察してみて
はいかがだろうか。