三月場所、横綱が皆勤しなかったにも関わら
ず、貴景勝・朝乃山・正代の3大関は存在
価値を示せなかった。大関は協会の看板で
あり、特別待遇を受けている。大関が決定
したときは協会から使者が相撲部屋に赴き、
伝達する儀式があるほどで関脇にはない。
3大関はどれほど大関としての実績を残して
きたのか。改めて検証してみよう。
■大関勝率
貴景勝 75勝44敗31休 0.630
朝乃山 44勝19敗12休 0.698
正代 21勝14敗10休 0.6
貴景勝は1場所に換算したら9.5勝である。
朝乃山は10.5勝、正代は9勝である。朝乃山
は、大関勝率は一番いい。昭和以降の最高位
大関の最高勝率は高安の0.665であるから、
それより上である。課題は12勝が1度ある
だけで13勝以上の壁を破れないでいること
である。
■10勝以上
貴景勝 10場所中5回
朝乃山 5場所中4回
正代 3場所中1回
朝乃山は休場した場所以外は常に10勝して
いる。ただし、横綱が機能していて大関の頭
をおさえているわけではない、という条件
つきである。15日制の大関三根山以降の最高
位大関で10勝以上は現時点で朝乃山が最高率
である。
■大関優勝率
貴景勝 10場所中1回 10%
朝乃山 5場所中0回 0%
正代 3場所中0回 0%
大関優勝は貴景勝が1回あるのみである。
横綱が機能していないなかでは、いささか
お粗末過ぎる。魁皇は大関で4回優勝して
いるが、大関在位は65場所であった。大関
優勝率は6%であった。
■大関休場率
貴景勝 4不戦敗31休 23%
朝乃山 1不戦敗12休 17%
正代 1不戦敗10休 24%
1年に換算すると貴景勝は20日、朝乃山は
15日、正代は21日休場していることになる。
2場所連続負け越しで大関降格の規定に甘え
ているうちはどうしても1場所休場、8勝
したら休場がつきまとう。霧島は7勝8敗の
翌場所ケガで休場して大関の座を明け渡して
いる。昭和以降の最高位大関では清水川・
鏡岩・魁傑は大関休場0である。
■大関負け越し率
貴景勝 10場所中5回 50%
朝乃山 5場所中1回 20%
正代 3場所中2回 67%
貴景勝と正代は現時点では大関負け越し率が
高い。最高位大関で負け越し率が低かった
のは琴風である。大関在位22場所中2回で
9%であった。
大関はときには横綱以上の存在価値をしめさ
なければならない。だが、3大関には程遠い
現実がある。いっそうの奮起が望まれる。
ビックカメラにいってきました。
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