記録からみた優勝決定戦

優勝決定戦は、本割(通常の取組)を終えて同じ星(勝ち数)で並んだ力士が、優勝者を決めるために千秋楽の結びの一番のあとに行う取組である。1947年(昭和22年)秋場所に始まった。それ以前は同成績なら番付上位者が優勝だった。2人なら一番勝負、3人以上なら「巴戦」で、2人に連勝した力士が優勝する。近年も熱戦が続き、2025年9月は横綱同士(大の里と豊昇龍)、2026年5月は若隆景が制した。

※近年の結果は報道各紙(日刊スポーツ・日経・中日・時事ほか)による。決まり手の表記は媒体により異なる場合がある。

目次

近年の幕内優勝決定戦の結果一覧(2020〜2026年)

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場所優勝相手決まり手
2020年11月貴景勝照ノ富士押し出し
2021年5月照ノ富士貴景勝はたき込み
2022年3月若隆景髙安上手出し投げ
2022年11月阿炎髙安・貴景勝(巴戦)はたき込み/押し出し
2023年3月霧馬山大栄翔突き落とし
2023年7月豊昇龍北勝富士押し出し
2023年9月貴景勝熱海富士はたき込み
2024年1月照ノ富士琴ノ若寄り切り
2024年7月照ノ富士隆の勝寄り切り
2025年1月豊昇龍王鵬・金峰山(巴戦)寄り倒し
2025年3月大の里髙安送り出し
2025年9月大の里豊昇龍寄り倒し
2025年11月安青錦豊昇龍送り投げ
2026年1月安青錦熱海富士首投げ
2026年5月若隆景霧島
近年の幕内優勝決定戦(報道各紙より)。巴戦は3人以上で行われ、2人に連勝した力士が優勝する。2026年5月の決まり手は本稿時点で未確認。

この6年だけでも、平幕の阿炎による28年ぶりの巴戦制覇(2022年11月)、横綱同士の大の里対豊昇龍(2025年9月)、関脇・安青錦が横綱豊昇龍を破った一番(2025年11月)と、決定戦ならではのドラマが続いている。なお、2024年3月に尊富士が110年ぶりの新入幕優勝を果たしたときは、千秋楽本割で単独優勝を決めたため決定戦は行われていない。

記録からみた優勝決定戦

九月場所は関脇御嶽海と関脇貴景勝の間で
優勝決定戦がおこなわれた。その結果御嶽海
が2回目の優勝を達成した。関脇同士の優勝
決定戦は史上初であった。平成24年は五月
場所では、史上初の平幕同士の優勝決定戦が
あった。旭天鵬が栃煌山に勝って初優勝した
ことは記憶に新しい。優勝決定戦にはどんな
記録があるのか、調べてみた。
羽黒山 
<羽黒山のブロマイド>

優勝決定戦は昭和22年秋場所から始まった。
戦後どん底の大相撲をなんとか盛り上げたい
と協会に相撲記者クラブが協力するカタチで
考案した。それまでは同成績者がいた場合、
番付上位者が優勝となっていた。スタート
した場所でいきなり4人が同成績となった。
横綱羽黒山、大関前田山、大関東富士、前頭
8枚目力道山である。このときは番付どおり
羽黒山が優勝した。しかし、力道山が果敢に
羽黒山を攻め立て、あわやという場面があり、
優勝決定戦は大成功となった。
190108奉納土俵入り 506
<白鵬>

優勝決定戦の最多出場はまず、大鵬が6回
出場した。成績は5勝2敗であった。5勝の
なかには巴戦での2勝が含まれている。柏戸
に2勝している。時代は進み、北の湖は8回
出場して記録を更新した。成績は3勝5敗と
負け越している。若三杉(のちの2代目若乃
花)に2勝、貴ノ花に2敗している。さらに
貴乃花が10回出場を果たして記録を更新して
いる。成績は6勝5敗であった。4人トーナ
メントで2勝している。武蔵丸に4勝、貴ノ
浪に2敗している。同じ優勝決定戦出場数
10回に白鵬がいる。成績は6勝4敗である。
鶴竜に2勝、朝青龍に1勝3敗である。

最多勝利はどういう記録の変遷を辿ったのか。
大鵬が5勝(2敗)をあげ、しばらくは破る
者がいなかった。ところが千代の富士が6勝
(0敗)と負けなしで記録を抜いてしまった。
勝率は10割でこれ以上はない。朝潮に3勝
している。貴乃花が6勝(5敗)、白鵬が
6勝(4敗)と並んでいる。実は、彼ら以上
に勝った者がいる。最多勝利最高記録は曙
である。7勝(3敗)である。貴乃花、武蔵
丸に2勝1敗の成績を残している。
曙 横綱土俵入り
<曙>

優勝決定戦における関脇以下の下克上優勝は
どれくらいあるのだろうか。左が優勝者である。

昭和23年秋場所 関脇増位山対大関東富士
昭和31年春場所 関脇朝汐大関対若ノ花
※巴戦の最初の一番
昭和37年三月場所 関脇佐田の山対横綱大鵬
昭和49年十一月場所 小結魁傑対横綱北の湖
昭和56年一月場所 関脇千代の富士対
横綱北の湖
平成11年一月場所関脇千代大海対横綱若乃花
平成11年七月場所 関脇出島対横綱曙

7回ある。横綱北の湖は2回登場している。

優勝決定戦は様々なドラマをみせてくれる。
負傷をおして優勝の栄冠に輝いた貴乃花、
稀勢の里は忘れられない一番として記憶に
残り続けるであろう。

Q. 優勝決定戦とは何ですか?
本割を終えて同じ星で並んだ力士が、優勝を決めるために千秋楽の結びのあとに行う取組です。1947年秋場所から始まりました。

Q. 巴戦(ともえせん)のルールは?
3人以上が並んだときの方式です。勝った力士が次の控えの力士と対戦することを繰り返し、2人に連勝した力士が優勝します。

Q. 直近の優勝決定戦の結果は?
2026年5月は若隆景が霧島を破って優勝しました。上の一覧に2020年以降の結果をまとめています。

Q. 決定戦がなかった有名な優勝は?
2024年3月の尊富士は、千秋楽の本割で単独優勝を決めたため決定戦はありませんでした(110年ぶりの新入幕優勝)。

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関脇以下の力士が横綱・大関を破った決定戦は関脇以下同士の優勝決定戦で、本場所ごとの優勝者は大相撲 歴代優勝力士|本場所別の優勝者一覧でたどれる。横綱で優勝のなかった力士は横綱で優勝なしの記録にまとめている。

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この記事を書いた人

日本経済新聞で15年間記者を務め、日経HRの編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するフリーライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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