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玉鷲の出世街道

このところめきめき力をつけてきた力士に
玉鷲がいる。十一月場所で日馬富士と3大関
に勝ち、一月場所では鶴竜と2大関を倒す
までに成長した。玉鷲はこれまで横綱・大関
を脅かすような存在ではなかった。玉鷲は
32歳になり、幕内を45場所務めている。これ
まではさほど横綱・大関戦は期待できなかっ
た。
玉鷲
<玉鷲化粧まわし姿とのぼり>
 
それがここ2場所は見違える相撲を取って
いる。地力アップの裏には突き押しの威力
増加があげられる。32歳からの成長で、横綱・
大関戦ががぜん面白くなった。ここまで進化
するとは想像できなかった。玉鷲はこれまで
どんな相撲人生を歩んできたのか、ふり返っ
てみよう。
前相撲は平成16年一月場所である。以下が
幕下以下の所要場所数と合計成績である。
玉1A
三段目から二段目へ、幕下から三段目へ降格
した経験がある。勝ち越し16場所、負け越し
7場所である。けしてスピード出世ではない
が、遅くはない。十両まで5、6年かかる
のが通常である。幕下以下での優勝は幕下で
1回ある。
0709十三 十両 090
<幕下時代 H19年九月場所13日目 八木ヶ谷
(後の若荒雄)を倒して優勝を決める>
 
十両を4場所連続勝ち越して入幕した。
玉2A
080114二日目十両 196
<新十両 H20年一月場所2日目 栃乃花から
十両初勝利>

ここまでは順調である。ところが入幕後5年

の間に5度十両に陥落している。初めて横綱・
大関とフル対戦したのは、平成22年三月場所
である。このときは横綱が白鵬、大関が日馬
富士、琴光喜、魁皇、琴欧州と5人いたが、
全敗して5勝10敗の成績に終わっている。
161113初日幕内 829
<H28年十一月初日 日馬富士に勝利>
 
2度目の横綱・大関フル挑戦は5場所後で
あった。このとき琴光喜はいなく、把瑠都が
大関になっていた。成績は大関日馬富士、
魁皇を倒したが、5勝10敗で終わっている。
その後も上位で勝ち越すことはなかった。
玉鷲にとって上位勝ち越しは大きな壁だった。
この壁を破ったのが昨年の十一月場所と先場
所である。
A横綱・大関全員と対戦して勝ち越し
B横綱・大関全員と対戦して負け越し
C横綱・大関と対戦なしあるいは部分対戦
とすると、ここまでの経緯は以下である
玉3A
玉鷲はこれまで上位との対戦が少ない力士
だった。しかし、今や急速な進歩で上位も
油断できない存在に変身した。三月場所も
旋風を起こせば場所は面白くなる。

本格的花粉シーズン到来。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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