また暑い季節のなか、七月場所が近づいてくる。七月場所
といえば忘れられないときがある。もう5年も前になる
2010年のことである。この年五月場所中に野球賭博事件が
発覚した。力士、親方がプロ野球の勝負を賭けた結果、
資金が暴力団に流れていた事件である。さらに向こう
正面土俵近くに暴力団が観戦し、刑務所のボスにテレビ
中継を通じて元気な姿を見させるという行為まであった。
この事件は場所後拡大の一途をたどり、ついには退職者と
出場停止1場所という処分者を出した。そのため場所の
開催が危ぶまれた。どうにか開催にこぎつけたが、NHK
の大相撲中継はなく、ハイライトのみであった。大相撲
中継を楽しみにしていた老人施設からは落胆の声が聞か
れた。
七月場所の初日、筆者は前日から深夜バスで名古屋入り
していた。早朝の愛知県体育館は今まで見たこともない
光景が繰り広げられた。入り口で待ち構える報道陣。
開場を待つファンに元NHKの杉山氏が話を聞いていた。
筆者は一番のりではないのだが、一番のりの方が入り口を
間違えて待機していたため、見かけ上一番のりになって
しまった。
そのため、館内でスポーツ紙の記者に取材された。当然、
暴力団がらみの野球賭博事件に関してである。処分者が
どの程度関与していたかまるでわからない。出場停止
1場所は朝青龍の巡業を休場してモンゴルでサッカーを
して2場所出場停止より軽いのならなおさらその点を明確
にしてほしい、と答えた。まあ、記事になることはないと
思っていたが、そのかわりほかのものが掲載された。それ
は小さなカットながらも筆者をはじめとする観客が愛知
にしてほしい、と答えた。まあ、記事になることはないと
思っていたが、そのかわりほかのものが掲載された。それ
は小さなカットながらも筆者をはじめとする観客が愛知
県体育館へ入場するシーンの写真である。
会場入りしてまっさきに見たのはNHKの放送席がどう
なっているかである。実況放送がなくてもスペースは
以前と変わらず存在した。電光掲示板では休場に謹慎処分
力士と岩木山の名前が混在していた。きちんと区別しない
と誤解を招きかねない。土俵の進行予定時刻は番数が
減っているにもかかわらず、いつもの初日どおりであった。
協会挨拶は村山理事長代行が土俵にあがる。自分の言葉で
お詫びとこれからの出直しを語る。毎回、決まり文句の
挨拶よりはるかにいい。幕内の取組が始まっても比較的
静かだ。まばらな懸賞にぱらぱらと拍手が起きる。西2階
椅子席に陣取った稀勢の里の応援団の声援が館内に響く。
番数が幕内では3番少ないにもかかわらず、打ち出しは
帳尻をあわせたように終了した。
名古屋では暑くならないうちに自転車で愛知県体育館に
くる方、春日山部屋を応援するM氏、春日野部屋を応援
するS氏、宮城野部屋を応援するK氏などに出会えた。
しかし、不祥事とともに見かけなくなった方が2人いる。
もうこうした事件は御免こうむりたい。
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