2014年の七月場所、琴奨菊は白鵬と並んで2敗で千秋楽を
迎えた。豪栄道は12勝をあげて大関昇進が決定した。
あれから1年様相は一変した。両大関は大関としての
存在感を示せないでいる。琴奨菊はカド番を3場所に
1回迎えている。豪栄道は勝ち越しすれすれの成績が
精いっぱいの印象である。稀勢の里を含めた3大関は
これまでどんな実績を重ねてきたかみてみる。
争いも少ない。稀勢の里が21場所中3回が最多だが、
1年に1回も優勝争いができていない数字である。ほかの
2人は優勝争いに関しては論外である。琴奨菊は大関
22場所、稀勢の里は21場所である。大関が長いといわれた
佐田の山が17場所だったことを考えるとはるかに超えて
いる。なおかつ琴奨菊31歳、稀勢の里・豪栄道29歳と
成長を望める年齢は超えてしまった。
新大関照ノ富士は成長途上であり、横綱の可能性を秘めて
いる。それに対して大関としての存在価値を示せないで
いるのが3大関の実情である。大関は優勝争いをして
時には横綱以上の存在価値を示す地位である。
ただ、稀勢の里は昭和・平成の大関と比較しても勝率が
いい。上位が総崩れになって優勝ラインが下がったとき、
ワンチャンスを生かして優勝することは可能だ。問題は
稀勢の里の精神面でここ一番に弱い点だ。優勝してくれと
期待されながらついに優勝できなかったのが豊山である。
稀勢の里が歩む道は豊山か1回のチャンスで優勝した
北葉山か。七月場所は近づいている。