2010年十一月場所、白鵬は62連勝を引き下げて福岡に
乗り込んできた。白鵬が双葉山のもつ史上最高の69連勝に
挑む注目の場所となった。初日、白鵬の対戦相手は慣例
通り小結栃ノ心。栃ノ心は左に変わり気味に上手を取り、
白鵬に上手を与えない体勢をつくるも攻められない。
この瞬間白鵬は右下手から揺さぶり、栃ノ心の上手を
切り自分が上手を取る万全の体勢。上手投げで難なく
63連勝を達成。
71年(当時)たっても破れぬ、誰も迫ることができなかった
双葉山の69連勝。まさに常人にはなしえぬ、超越した者に
しかできない記録だ。3/4世紀ぶりにそれに挑む白鵬も
超人だ。超人対超人の行く末はどうなるのか。目が離せ
なかった。
双葉山の69連勝。まさに常人にはなしえぬ、超越した者に
しかできない記録だ。3/4世紀ぶりにそれに挑む白鵬も
超人だ。超人対超人の行く末はどうなるのか。目が離せ
なかった。
超人(双葉山)対超人(白鵬)の対決は2日目にして
終止符をうった。最も危険な相手稀勢の里に突き押しで
攻められ、どう対応すべきかはっきりしないまま防戦に
おいこまれた。最後は正面土俵に寄り立てられ、観客席へ
転落した。稀勢の里の勝因は一呼吸もおかずに絶え間
なく攻めまくったこと。一方白鵬は冷静さを欠き、いつ
もの白鵬ではなかった。
これだけ連勝新記録が騒がれれば心中は穏やかではいられ
ない。連勝というものは止まるときはあっけないものである。
むしろ大事なのはこれからである。連勝ストップ後双葉山は
さらに2連敗し、大鵬は休場してしまった。千代の富士は再び
30連勝以上することはなかった。
この場所白鵬がくずれると優勝は低レベルになる可能性が
あった。白鵬はここで踏ん張って優勝決定戦で平幕豊ノ島
を倒し、14勝1敗で5連覇を達成した。連勝ストップの
場所にもち直し、17回目の優勝で真価を発揮した。