尊富士の優勝で11人になったものがある。それは幕
内優勝経験者の現役数である。11人あげられれば、
あなたは相撲通である。
照ノ富士
貴景勝
御嶽海
霧島
玉鷲
豊昇龍
朝乃山
大栄翔
正代
尊富士
若隆景
豊昇龍以下6人は優勝1回である。尊富士は幕尻新
入幕での優勝だった。まさに混迷の時代である。む
ろん、優勝1回の力士が今後優勝することはあり得
る。
御嶽海は関脇で3回優勝している。関脇以下で3回
優勝は新記録である。関脇以下最強の時期があった。
しかし、今の御嶽海がさらに優勝するとは考えにく
い。
年6場所制は実質昭和32年九月場所から始まってい
る。それから5年後昭和37年九月場所の現役幕内優
勝経験者はどれくらいいたか。横綱は大鵬と柏戸の
2人である。大関は琴ヶ濱、佐田の山、栃ノ海、栃
光、北葉山の5大関である。幕内優勝経験者は以下
である。
大鵬
佐田の山
柏戸
栃ノ海
大豪(前名若三杉)
羽黒山(前名安念山)
大鵬は7回優勝していた。このとき6連覇の途上で
あった。柏戸以下は優勝1回である。現役優勝経験
者が6人と現代とは大違いであることがわかる。
ただ、混迷の時代の優勝争いは面白い。誰が優勝戦
線に躍り出るかまるで予想がつかない。横綱照ノ富
士はフル出場できるかどうかわからない。大関は4
人いるがあてになるとは限らない。そのあたりが大
相撲人気につながっているのは皮肉である。
風薫る五月場所も人気が出そうである。