この日優勝に直結する取組が二番あった。まず、1
敗同士の琴ノ若と新入幕大の里戦である。大の里は、
体があるし、勢いもある。しかし、相撲はこう展開
した。琴ノ若がもろざしで一気に寄った。大の里は
万事休すだった。琴ノ若に一日の長があった。
2敗霧島と幕内下位1敗阿武咲が組まれた。阿武咲
は上位との対戦経験は十分ある。相撲は激しい突き
合い。両力士一歩も引かぬまっこうからの攻め合い。
最後霧島がはたき込みでようやく勝負が決まった。
阿武咲は大善戦の相撲だった。それを真っ向から迎
え撃った霧島もすごい相撲だった。まさに大相撲、
10日目の最高一番であった。
2敗豊昇龍は大栄翔をつかまえ問題なく2敗を死守。
同じく2敗の照ノ富士は金峰山を相手に万全の相撲
を取った。
星を整理すると1敗琴ノ若。2敗照ノ富士・霧島・
豊昇・阿武咲・大の里となった。優勝はやはり横
綱・大関・関脇からでそうである。照ノ富士・霧島・
豊昇龍・琴ノ若の対戦はこれからである。
優勝は優勝を争う者を倒さなくては達成できない。
誰がその担い手になるか。照ノ富士、霧島、豊昇龍
はもろい負け方が気になる。かといって琴ノ若が横
綱・大関戦を勝ち抜く力があるかというといささか
疑問である。
しいてあげるなら調子をあげてきた照ノ富士か。た
だし、11日目阿武咲を撃破すればという条件つきで
ある。